綾辻行人

綾辻行人『どんどん橋、落ちた』あらすじ、感想、まとめ

なんだこれ?っていいたくなるくらい「面白い」本がある。

その最高峰が「どんどん橋、落ちた」ではないかと思う。

なんせ設定や結末で「なんやそれ~!」と思わず叫んでしまうからなのだ。

ついつい、怒りだしてしまう人もいるかもしれない。

そんな「どんどん橋、落ちた」ご紹介します!

どんどん橋、落ちた 綾辻行人 あらすじ・感想

短編なので、あらすじと感想をまとめて書いていきます。
長くなるので、興味のある話だけ読んでくださいませ。

どんどん橋、落ちた

あらすじ

1991年の大みそか、「U」と名乗る若者が私(綾辻行人)のもとにやってくる。
自分が書いたというミステリー小説の原稿を持って。

そして彼が言う。

U君
U君
今すぐに読んでください、そして犯人を当ててください!

私はさっそく読み始めたが・・・・。

感想

非常に斬新。

「言葉のあや」を見つけ、そこをこじ開けていくように考えないと、この謎は解けない。

謎解きも面白いが、なぜわざわざ大みそかにUがやってきたのか?というオチがまた絶妙。

オチで「ええーっ、そんなんあり?」と叫ぶこと請け合いな物語。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
登場する子供が、残忍なのが悲しい。ネコ缶も一児の母やしなあ・・・。

ぼうぼう森、燃えた

あらすじ

1993年のお正月、またしても綾辻行人の元に原稿を携えたUがやってきた。

今回もまた、U君のペースに乗ってしまい、小説を読み始めて犯人あてゲームに参加するのだった・・・。

感想

「どんどん橋、落ちた」の続編。合わせて読むと面白さは倍増する。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
しかも「ぼうぼう森、燃えた」は最初から「犬の物語です」とハッキリ言い切ってるんや。

で、犬の目線で物語は進んでいくんやで

犬なのだからナイフや毒は使えないし、首を絞めることも出来ない。

そのうえ車の運転も出来ないので、どんなミステリーになるのやらと思いきや、これがどんどん引き込まれていく。

ラストはやっぱり『どんどん橋~』と同じでこう思うはず。

読者A
読者A
ええーっ、そんなんあり? 

そしてちょっと苦笑いする。

フェラーリは見ていた

あらすじ

綾辻行人がお世話になっている、U山さんという編集者がいる。

そのU山さんの奥さんから、こんなことがあった・・・といういきさつから、謎解きは始まる。

U山さんの奥さん
U山さんの奥さん
フェラーリに乗っている、葛西さんのうちのシンちゃん(サル)が殺されて犯人が解らない。

サルの小屋まで行くには密室要素もあり、簡単な事件だが、どうしても謎が解けない。

作者、綾辻行人は、この謎を解くことができるのか?

感想

これもまたまた最後に「えーっ」と驚く。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
この本はすべて、こんな感じの話ばかりが入っている(笑)

犯人の動機やトリックは、大したことはないのだが、読者は「騙されていた」感が半端ない。

謎を解くカギはこの一言に尽きる。

「フェラーリ」とは何か?

これが解れば、サル殺害のトリックはすぐに解ける(無理やろうなあ・・・)

井園家の崩壊

あらすじ

「あちら側の世界」の井園家・「常」が、突如発狂し、八百屋で突然人を殺めてしまう。

そこから井園家はばらばらになり、崩壊の一途をたどる。

そしてついに起こってしまった殺人事件。

密室で、遺体となって発見されてしまった「笹枝」と、時を同じくして毒殺されたネコのタケマル。

この2つの事件に、つながりはあるのか?
そしてついに第二の殺害事件が起こる・・・。

感想

「井園家」と聞いただけで、ここまで読み進んだ人であれば、ピンとくるものがあるだろう。

そう「あの国民的・幸せ人気家族」をテーマにした(かなりいじった)物語なのだ。

しかもその家族は、悲しいまでに崩壊していき、最後は目も当てられないくらいの結末になる。

作者の綾辻行人が「あちら側」の作家・井坂先生のところまで行き、この事件をどう見るか・・と、問われる形になっているのがこれまた斬新でいい。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
ついでに「野比原家の〇〇」みたいな話もつくってくれへんかなあ(笑)

意外な犯人

あらすじ

またしても作者の元に現れたU君。

今回は、綾辻氏が企画に参加したという、ドラマのビデオを持ってきた。

このドラマの犯人あてを今回は迫るのだが、なぜか綾辻氏にはこの企画の記憶は全ない。

しぶしぶ見始めるが、犯人は解るのか?
そしてこの企画を思い出せるのか?

感想

子供のころに読んだ「探偵クイズ」みたいな展開。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
ざっとエピソードを書いて「この中の犯人はだれでしょう~」みたいなやつな

謎解きそのものは、全く難しくない。すぐに解る人も結構いるでしょう。

でもこの話の真骨頂は、ラスト2行にある。

カフカの「変身」を思わせるようなラストに、ちょっと背筋がゾッとする。

どんどん橋、落ちた 綾辻行人 まとめ

ネコ缶の評価

この本の謎解きは、そこまで難しいわけではない。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
鮎川哲也さんの謎解きに比べたらな・・・

だが全ての話の根底には、ブラックなユーモアやホラー要素が流れていて、物語を盛り上げてくれている。

むしろそっちが面白く、ミステリーがおまけみたいになっている。そんな本。

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