シリーズ物は、時々こんな感想を抱くことがある。
ちょっと面白くない本・荒い本があったりするのだ。
ペルシャ猫の謎もそんな感じ。
びっくりするようなオチの話がはいっているのだ。
表紙のネコイラストのかわいらしさとは裏腹に、ちょっと辛口で評価している。
有栖川有栖(作家アリス)「ペルシャ猫の謎」いきます!
Contents
有栖川有栖(作家アリス)「ペルシャ猫の謎」あらすじ

「ペルシャ猫の謎」は短編集。
この話が入っている。
切り裂きジャックを待ちながら
笑う月
暗号を撒く男
赤い帽子
悲劇的
ペルシャ猫の謎
猫と雨と助教授と
ちょっとびっくりするラストが、表題作の「ペルシャ猫の謎」だ。
順番にみていこう。
切り裂きジャックを待ちながら

劇団「屋根裏の散歩舎」の看板女優・鴻野摩利が誘拐された。
摩利が縛られた状態で、身代金の支払いを要求するビデオレターが届き、劇団内も動揺が走る。
だが彼女は、舞台で使われるクリスマスツリーに、死体となってつるされて発見された。
舞台のタイトル通り、切り裂かれて・・・。
クリスマスツリーの大きさを、よーく考えることが謎を解くカギ。
笑う月

「月は怖い」という希美。
なぜなら月は、いつも希美を見張っていて、悪いことをしてもお見通しだし、幼少期の秘密も知っているから・・・。
そして今回も、月の出ている夜に一緒にいた男性が、なぜか殺人犯で、警察に追われている。
私のところにも警察が来た。
私は月に、そして警察に、この日のことを隠し通せるのだろか・・・。
月の存在でアリバイを主張するが、その月でアリバイが崩れるところがナイス。
暗号を撒く男

平凡な会社員の男性・待田暁規。彼が自宅で刺されて殺されていた。
だがその被害者の家は「なぜこれがこんなところにおいてあるのか?」という謎に満ち溢れていた。
枕元には破魔矢。ソファの上には乙女の祈りのオルゴール。トイレにはウールのセーター・・・・。
これは被害者がやったことなのか?
だとしたら何のために?
犯人は誰かという事よりも、なんでこんなことしたのか?このグッズの意味は?という事が気になって仕方がない。
オチを聞くと「なーんだ」と笑ってしまう事請け合い。
赤い帽子

赤い帽子をかぶった男が大雨の朝、川で溺死していた。
その男は殺される前に、スナックに一緒に入った男と、こんな会話を交わしてる。
だが容疑者として挙がった男にも、本人にも音楽関係の人間とのつながりは全くない。
事件は意外なことに、中学時代のころまでさかのぼる必要が出てきて・・・。
いつもブランド物のスーツで、身を固めたイケメン刑事・森下恵一が主役の物語。
「ビオラ」のエピソードは有栖川氏の得意技。
悲劇的

10Pほどのショートショート。
火村のもとに届いた、課題図書のレポート。
お世辞にもうまいとは言えないうえ、課題図書の内容にも、全く合っていない内容のものが1つあった。
とある事件を元に書かれた、本人の感情が爆発したような内容。
それに対する火村の返しがブラックでGOOD。
ペルシャ猫の謎

別れた彼女が、喜多嶋一允のところに残していったペルシャ猫のペル。
最初は疎んじていた彼だが、いつしかペルは、心のよりどころとなる。
そんなある日、一允は強盗に入られ、頭を殴られる。
混とんとする意識の中で、自分を襲った犯人は肩にペルをのせた双子の弟、一考と解る。
お前がやったのかと詰め寄る一充。
だが一考だけでなく、なんとネコのぺルにも完璧なアリバイがあって・・・
このラストは有栖川有栖氏も「読者はどう思うのかと思いながら書いた」とあるので
かなりの挑戦だったのだろう。
猫と雨と助教授と

短い5Pくらいの小説。
オチもないので「エピソード」といったところか。
火村と、おそらく作者・有栖川氏のネコ好きなことが解るほほえましい話。
有栖川有栖(作家アリス)「ペルシャ猫の謎」 感想

ミステリーではない話もいくつか混じっている。
「猫と雨と助教授と」はそうだし、「悲劇的」なんかもその類だ。
それは別に構わないし、火村の人となりが解って、ファンは楽しいからいい。
でもやっぱり「ペルシャ猫の謎」ラストのインパクトが大きい。
この内容を、まあいいかあ~と思うファンも多いかと思う。
でもネコ缶は、あまりのありえなさにびっくりして2回ラストを読んだ
そのうえ
と、「猫と雨と助教授と」に無駄な期待を寄せてしまった(無駄だった)。
途中までは、猫好きな人として共感できるところも多かったし、どんなトリックか期待していたのだが・・・・。
まあ作家先生のご愛嬌というところか・・・・。
新人の作家やったら、絶対に通らなかったやろうなあ・・・。
有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」まとめ

ネコ缶の評価
笑う月・赤い帽子はまずまず。
「こんなラストあり~?」という話のタネに、一度読んでみてください。
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