モロッコと聞いて、あなたはすぐに
と、言えただろうか・・・・。
ネコ缶・・・
全然わかりませんでした((+_+))!
モロッコはちなみにここ↓
アフリカ北部にあった(知らんかった・・・)。
そんなネコ缶を惑わせた(?)モロッコ水晶の謎、いってみよ!
Contents
有栖川有栖(作家アリス)国名シリーズ・モロッコ水晶の謎 あらすじ
モロッコ水晶の謎は短編集。
こんな話が入っている。
助教授の身代金
ABCキラー
推理合戦
モロッコ水晶の謎
順番に見ていこう。
助教授の身代金
かつての人気俳優・志摩征夫が誘拐された。
身代金3000万円は、電車の窓から捨てろという。
だが犯人は現れず、狂言じゃないかという意見も出る中、征夫の死体が見つかる・・・。
彼はなんと誘拐事件の前に殺されていたのだ!
しかも一人暮らしの征夫の自宅で殺されていたのに、なぜか空き家に移されてもいた。
犯人は何のためそんなことをしたのか?
ネコ缶の一言
身代金の渡し方を読んで、黒沢明監督「天国と地獄」を思い出した。
この映画は大好きなので、自信をもっておススメできるで。
柾夫が、占いに凝っているような描写があったので、そこを深くしても面白くなったのではないかと思う。
ABCキラー
安遠町で浅倉(A)が、別院町で番藤(B)が殺されるという事件が起こる。
これはアガサクリスティの「ABC殺人事件」を模倣している・・といううわさが、マスコミを駆け巡った。
うわさが大きくなり、CやDのイニシャルを持つ人が戦々恐々となるなか、とうとうC,Dの殺人事件が起こってしまうが・・・。
ネコ缶の一言
アガサクリスティの「ABC殺人事件」を、読んだことある人なら、こう思うだろう。
そう思ってしまいがちだが、ABC殺人事件とは全く別の展開。
そしてABCキラーは、ちょっとラストの詰めが甘い。
犯人の殺人動機がかなり弱いうえ、挑戦状を出した人間もあいまい。
いっそ、ちょくちょく出てきた新聞記者を、脅迫状の送り主にした方が話が面白かったのでは・・・と思う(におわせてはいるが)
推理合戦
5P程度のかなり短いお話。
とある焼き鳥屋で、朝井小夜子先生と火村が、お互いになぞかけをし合う。
火村と小夜子はわかったのだが、間にいたアリスは「?」
悔しいので、アリスは謎かけの中で出てきた場所まで実際に行ってみたところ・・・?
ネコ缶の一言
星新一のショートショートに出てきそうな、ユーモアたっぷりの内容。
ちなみに朝井小夜子先生は「海のある奈良に死す」に出てきた登場人物で、それ以降も時々登場してくれる。
モロッコ水晶の謎
出版社社長・羽田野の誕生日パーティで、娘の恋人・阿江が乾杯の後、突然倒れた。
ジュースに毒が入っていたのだ。
身内だけのホームパーティ、隠れるところもなく、大した人込みでもないところで、どうやって毒は入れられたのか?
そしてどんな動機で、阿江は殺されなければならなかったのか?
この事件を予測できなかった、羽田野の専属占い師・美苗に非難の目が注がれる。
偶然パーティに参加していたアリスは、どう推理していくのか?
ネコ缶の一言
「モロッコ水晶の謎」は、こんな感じで面白くなりそうなエピソードがてんこ盛りだ。
- 水晶を使う「専属占い師」という肩書
- 専属占い師として抱えられるまでの海外漫遊と、羽田野氏との出会いの偶然さ
- 美苗のアシスタントの謎めいた美少女
- 被害者阿江の意外な素顔
なのに・・・
なのに・・・・・
なのにオチがいまひとつ・・・・。
どうにもこうにも、納得できない結末になっているのだ。
ちょっとネコ缶は「ペルシャ猫の謎」読んだときみたいに消化不良だ。
そしてみんながいる前で、狙った人だけに毒を飲ませるトリックはさまざまあるが、モロッコ水晶は「うーん」だ。
有栖川有栖(作家アリス)国名シリーズ・モロッコ水晶の謎 感想
「モロッコ水晶の謎」は、ちょっと全体的に小粒の話が多いかな。
特に表題作「モロッコ水晶の謎」は、お膳立てがあれだけそろっていたのに、あの終わり方はちょっとがっくり来る。
被害者阿江を、もう少し野心家・策略家にして、美苗の助手と裏で手を回していたとか、美苗をもっと食えない人物にして、羽田野の愛人になろうとしていた・・・みたいにした方が良かったのでは。
「ABCキラー」も、登場人物の新聞記者をうまく使えば、もっと膨らみのある話になったように思う。
有栖川有栖(作家アリス)国名シリーズ・モロッコ水晶の謎 まとめ
ネコ缶評価
うーむ。
「モロッコ水晶の謎」は、どの話も設定などはよくできてるんだけど、どうもオチが・・・という話が多い気がする。
短いエピソードの「推理合戦」が、一番おすすめ。
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