ミステリーの作者が小説の中に入っている・・・というのはよくある。
有栖川有栖氏は、その名前のまんま、学生アリスシリーズと作家アリスシリーズで登場している。
学生アリスシリーズはこちらから
作家アリスシリーズはこちらから
内田康夫氏も「軽井沢のセンセ」として。
頭の中だけではなく、紙上でも登場人物と現場を駆け巡ってみたい!と思うものなのかもしれないな。
アガサクリスティもご多分にもれない。
ハッキリと本人だと言ってるわけではないが、おそらくクリスティではないかと言われる登場人物がいる。
その名は「オリヴァ夫人」!
女性ミステリー作家として、捜査をし、ポアロと一緒に犯人を追い詰めてくれる。
そのオリヴァ夫人が初登場するのが、今回紹介する「ひらいたトランプ」だ。
詳しくみていこう!
Contents
アガサクリスティ(ポアロ)ひらいたトランプ あらすじ
ポアロは、鍵たばこ入れ展示会で、シャイタナ氏からパーティの誘いを受ける。
迷うポアロ。
なぜならシャイタナ氏は、奇異で悪魔的な容貌だけでなく、人の秘密を嗅ぎまわり、脅して楽しむような人物だったからだ。
気が進まないながらも、パーティに参加したポアロ。
夕食後にはシャイタナ氏を除き、2手に別れてブリッジを楽しむことになった。
そろそろ帰ろうと、皆が立ち上がったとき、大変なことに気づく。
暖炉のそばに腰かけていたシャイタナ氏が、ナイフで刺されて殺されていたのだ!
怪しいのは、シャイタナ氏のいた部屋でブリッジをしていた4人。
だがトランプの最中、だれにも気づかれずに、どうやって殺したのか?
証拠も目撃者もない中、ポアロはブリッジのテーブルを囲んだ人たちと、捜査を始める。
するとブリッジを囲んだ人たちの、意外な過去が次々と判明。
ポアロたちは、真実にたどり着くことができるのか?
アガサクリスティ(ポアロ)「ひらいたトランプ」 感想
数あるポアロ本の中でも、「ひらいたトランプ」は最高レベルだとネコ缶は思う。
「ABC殺人事件」や「ナイルに死す」などと言った、メガヒット作と同じころに書かれた作品だからだろうか。
ABC殺人事件はこちらから
ナイルに死すはこちらから
そんなマックスに面白い「ひらいたトランプ」の、見どころを詳しくみていこう
「ひらいたトランプ」見どころ1 前科者VS警察・探偵のシチュエーション
ブリッジをするとき、こんな風に分かれた。
チームA
- ポアロ(私立探偵)
- オリヴァ夫人(ミステリー作家)
- レイス大佐(諜報部員)
- バトル(警察官)
チームB
- アン・メレディス(若い娘)
- ドクター・ロバーツ(医者)
- ロリマー夫人(老婦人)
- デスパード(探検家)
シャイタナ氏はゲームに参加せんかったから、残った8人でこんな感じに分かれたんやな。
面白いのはここから。
偶然とはいえ、ポアロのいるチームAは、探偵や警察官などを職業にする人たちばかりなのである。
ではもう一つのチームBは?
これ実は、なんと「過去に殺人を犯して、捕まらなかった人たち」ばかりなのだ。
それを知ってパーティに招き、みんなの前で過去の犯罪を匂わせたシャイタナ氏は、相当趣味が悪い。
この「チームポアロ」が手分けをして、チームBを捜査していくという設定が超ナイスやな!
「ひらいたトランプ」見どころ2 話の設定がナイスすぎ
「自分の犯罪がバレてしまう・・しかもここには警察官もいる・・・。」
と、追い込まれた犯人が、シャイタナ氏を殺す・・・というのが事件のきっかけになる「ひらいたトランプ」。
そこで注目すべき点は、「4人でトランプ(ブリッジ)」をやっている時に殺したという事。
って思うよな?
ゲームが始まったのは夜9時半ころ、さあ帰ろうとみんなが席を立ったのは12時過ぎ。
この3時間の間に、飲み物を取りに行ったりした以外、長時間席を立った人はチームBにはいない。
計画的に犯行を行うことは、この場合まず無理だ。
そして犯行を行うと決めたにしても、ゲーム途中にそのチャンスがいつ来るかは、全くわからない。
謎解きのヒントは「ブリッジの得点表」。
ポアロはチームAでただ一人、ここから真実にたどり着いていくのだ。
このトランプというゲームと、殺人を合わせた設定が最高にワクワクするで
「ひらいたトランプ」見どころ3 どんでん返しは1回ではない
ミステリーの最後に、どんでん返しが来るのは当たり前。
クリスティの作品にも、大どんでん返しはよくある(というかいつも)。
「ひらいたトランプ」にも、もちろん華麗などんでん返しはある。
でも大きな特徴はこれや。
「1回ではない」!
読んでいくうちに
(・・・まだ話、続くで?)
ほんまか??
こうなること請け合いやで!
「ひらいたトランプ」 注意点 ブリッジのルールを知らなくても大丈夫!
この話では「ブリッジ」というトランプゲームが出てくる
ブリッジは、国際的なルールも設定されているという、すごいゲームなのだが、日本ではポーカーに比べると、まだまだ認知度は少ないのではないだろうか。
でもストーリーの展開には、ブリッジのスコアが大きくかかわってくる。
私、ブリッジのルール知らないけど、話は解るのかしら?
と不安になる人も多いかもしれないが、全然大丈夫!
「ブリッジを知ってる人だったら、もっと面白く読める」というレベルなのだ。
なので安心して読んでな!
アガサクリスティ(ポアロ)「ひらいたトランプ」まとめ
ネコ缶評価
チームAの警察&探偵班に入った、オリヴァ夫人のはしゃぎっぷりが楽しい。
周りはみんなプロばかりの中、彼女独自のやり方で、大きな手掛かりをつかんだところは、見どころのひとつ。
今後のオリヴァ夫人が想像できてナイス。
本で床が抜けそうになっている方・人に見られたくない本が欲しい方はこちら!⇒読書好きを救うもの!それは「キンドルペーパーホワイト」
[…] 「ひらいたトランプ」詳しくはこちら […]