綾辻行人

綾辻行人(館シリーズ)タイトルだけで怖すぎないか?「人形館の殺人」

 

前回、こんな館には住みたくない・・・というタイトルでこの記事を書いた

迷路館の殺人詳しくはこちら

廊下が迷路になってるんやもんなあ・・・しかも地下。

夜に部屋の移動なんてできやしない。

だから嫌だと言っていたが、その館に匹敵する館が登場。

それが今回ご紹介するこちら。

 

「人形館の殺人」

人形館の殺人
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人形ってかわいいけど、怖さもある。

それがマネキンで、広い家のあちこちに置かれていて、のっぺらぼうな上、腕が無かったり胴体が無かったり足が無かったりしたら・・・。

絶対住めへん!!!

そんな人形館で起こった殺人事件、詳しくみていこう!

綾辻行人(館シリーズ)人形館の殺人 あらすじ

飛龍想一は、静岡から育ての母親・沙和子と共に、死んだ父親が住んでいたという、京都の家に引っ越してきた。

京都の閑静なお屋敷街にある豪邸。

敷地内の豪邸の南では、アパートも経営されており、収入も確保されている。
彫刻家の父親らしく、アトリエもちゃんとあった。

画家の想一も、ここでのんびり絵を描こうと思いきや、この家には奇妙なものがいくつかあった。

それは人形。マネキンだった。

しかもその人形は、みんなのっぺらぼうな上、足が無かったり腕がなかったりで、完全な形をしているものはない・・・。

そんな不気味なものが、廊下のいたるところに置いてあったのだ。

その上父親は、遺言でこうも言っていた。

想一の父 
想一の父 
 この人形を、絶対に片づけたり、どかしたりしてはいけない。

でもなぜ、この家にはこんな人形が、いくつも置かれているのだろうか?

疑問に思いつつも、その存在にいつしか慣れてきた時、自転車のブレーキが壊されたり、ネコの死骸が放り込まれたりと、怪事件が相次ぐ。

おまけに、想一には謎の手紙まで届くように・・・。

 

時を同じくして起こる、子供の連続殺人事件と何かかかわりがあるのか?

想一を狙うのはなぜなのか?

答えは想一の幻聴にあるのだろうか・・・。

綾辻行人(館シリーズ)人形館の殺人 感想

オカルト的な感じが、かなり漂う作品。

主人公の気質(厭世的、病弱、はかなげ)な要素もあいまって、不気味さを漂わせながらも淡々と物語は進んでいく。

「人形館の殺人」の前半のメインはこの疑問ではないだろうか。

1 人形がなぜ置かれているのか?(しかも不完全な形で)
2 想一の幻聴は何を意味してるのか?

人形が置かれている謎は、人形の首の向きという意外なところから判明し、その理由もなるほどと思う。

そして想一を悩ませる幻聴の謎は、非常に納得できるもので、大いに同情も出来る。

ここまでは非常に良かったと思う。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
出来ればこのまま、この路線で走ってほしかったな~と思う。

 

だが申し訳ないけど、ラストで本当にがっかりした。

 

精神疾患や幽霊、超能力を原因にしたミステリーは、良くないというのがネコ缶のポリシー。
(それやりだすと、なんでもOKになるし、どんな殺人でも可能になってしまう)
ネコ缶のミステリーポリシーはこちら

今回の「人形館の殺人」は、大いに精神疾患を理由にしている。

これは、トリックでもなんでもないのではないだろうか。

 

おまけに今回は、なんと館シリーズの最大のポイント「館のからくり」も出てこない。

「人形館」は、中村青司が作ったものではないという事なのだ。

これはもう、そもそも「館シリーズ」と言えないのではないだろうか?

このあたり、本当にうーん・・・だ。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「ペルシャ猫の殺人」を読んだときみたいなガッカリ感やな~。 

ペルシャの猫の謎はこちらから

とはいえ、これは綾辻行人氏も「最も異色の作品」と言っているし、チャレンジ的な試みなのかもしれへん。

館シリーズはまだまだ続きがあるし、次回に期待かな・・・。

綾辻行人(館シリーズ)人形館の殺人 まとめ

ネコ缶評価
(10点満点)

読みやすさはさすがだと思う。

3時間くらいで一気に読めたし、読者をハラハラさせて、次々にページをめくらせてくれるのは確か。

でもやっぱり、あのラストはいただけない。

という事で、次回の「時計館の殺人」に期待しよう。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
あ、ちなみに物語の進め方が『黄昏の囁き(綾辻行人)』と似てるで。
黄昏の囁き
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