もし、あなたの隣の部屋から銃声が聞こえて、あわててその部屋を開けてみたら、誰も死んでいなかったとする。
ホッとしたのもつかの間、離れた部屋で、銃殺死体が見つかったら・・・・。
と思ってしまうだろう。
実際には起こりようのない殺人。
でもそれが起こってしまったのが、今回ご紹介するこの作品だ。
「魔術の殺人」
冒頭のような殺人がどうやってできてしまったのだろうか?
詳しくみていこう!
Contents
アガサクリスティ(ミス・マープル)「魔術の殺人」あらすじ
ルース・ヴァン・ライドック夫人は、ミス・マープルにこう言った。
キャロライン・ルイズ・セロコールドのことでね。
キャロラインはルースの妹だ。
3度も結婚した上に、今は夫の経営する少年院を手伝っているという。
そんなキャロラインに前回会ったときに、普通でない印象を受けたのだという。
そこで「鼻の利く」ミス・マープルに、ちょっと様子を見てきてほしいというのだ。
快諾したミス・マープル。
さっそくキャロラインの住む、ストニイゲイドに行ってみると、さまざまな人から打ち明け話をされる。
使用人、キャリイの娘・孫、キャリイの夫・・・・。
やはりここは何かあると思ったミス・マープル。
そんなある日の夕方、以前から精神に異常をきたしていると思われていたエドガーが、とうとう発狂したようにピストルを持ち出し、意味不明なことを言い出したのだ!
そしてキャロラインの夫を撃ってしまう。
幸いにも弾は外れたが、なぜか離れた部屋にいた、クリスチャンが「銃殺」されていた。・・・。
なぜこんなことが起こったのか?
キャロラインが毒殺されかかっているという噂もあり、謎は深まるばかり。
ミス・マープルの推理が光る!
アガサクリスティ(ミス・マープル)「魔術の殺人」感想
50ページも読まへんうちに、こう思った。
「魔術の殺人」は、読む前にちょっとここだけ気を付けておこう。
「魔術の殺人」読みこなしポイント1 「人間関係をよーく把握しておこう」
クリスティは家族間の財産争いや、遺産をめぐってのトラブルを扱うことが多い。
なので、大家族の家族構成を、頭に入れておかないといけないことが多々ある。
大前提がこれなのだが、十分解っているネコ缶でもこう思った。
で、メモに書いていったが、メモでは大きさが足りずに、A4の紙を用意する始末。
出来上がったのがこれ。
まず主役のキャリイ・ルイズ・セロコールドは3回結婚している(①②とかは、結婚した順番な)。
そのうえ、結婚相手に子供がいるのは当たり前で、養女(ピパ)をもらったりも。
で、話には孫やその配偶者はもちろん、お金持ちゆえメイド(ジュリエットやエドガー)も出てくる。
少年院を経営している都合あり、精神医学者(マヴェリック)なんかも出てくるのや。
とどめに警察関係者が2人出てくるしな。
もう一回言おう。
ちなみに、キャロライン・ルイズ・セロコールドの旦那さんは「ルイス・セロコールド」。
ついでにキャロラインのお姉さんは「ルース」だ。
よりによって、似た名前にしたもんやな~(苦笑)
魔術の殺人 読みこなしポイント2 謎は意外にあっさり
ここまで人間関係を複雑にし、引っ張った割に・・・・トリックは意外なくらいあっさりしていた。
ラストはちょっと拍子抜けするほど。
最初のページには部屋の見取り図もあるが、これはさほど重要ではない。
400ページ近い厚さだが、大半が家族のやり取り、ごたごたが書かれている。
「魔術の殺人」読みこなしポイント3 強烈なキャラ
親族の中に「ミルドレッド」という女性が出てくる。
一応キャロライン・ルイズ・セロコールドの実の娘なのだが、養女のピパのほうが圧倒的にかわいがられ、ひねてしまったのだ。
見た目や気質も、2人は完全に反対で、ピパが太陽、ミルドレッドが月(いや、闇)。
そしてミルドレッドは、実の親からは冷たい扱われ方をしたのだ。
「動く指」のミーガンみたいな感じやなあ・・・。
このミルドレッド、作品の中で殺生石のごとく毒を吐きまくってくれる。
ピパに対する嫉妬、世間に対する妬みや、ひがみで凝り固まってる。
同情できる点は沢山あるが、このご時世でも、こんな女性はたくさんいる。
事件には直接関係ないが、ミルドレッド、ミーガンみたいに報われるんやろか・・・これも注意して見といてな!
アガサクリスティ(ミス・マープル)「魔術の殺人」まとめ
ネコ缶評価
うーん・・・トリックがやっぱり物足りない(ネコ缶、ミステリーマニアゆえか)。
これくらいならシェイプして、短編にしたほうがいい作品になったかもしれへんな。
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