ホテルで事件・・・と言うと、真っ先にこれを思いつく
「有頂天ホテル」
かなり面白かったのでおすすめやで!
また、有名どころではこんなんもある。
「マスカレード・ホテル」

映画にもなった、東野圭吾さんのミステリーだ。
ホテルは見知らぬ人が大勢集う場所。
そこはやはり事件が似合うと思うのは、ネコ缶だけやろうか?
今回ご紹介するこちらも、そんな犯罪の似合うホテルだ。
「バートラムホテルにて」

古き良きイギリスを、ホーフツとさせる格調高いホテルで、一体何が起こったのか?
詳しくみていこう!
Contents
アガサクリスティ(ミス・マープル)バートラム・ホテルにて あらすじ

甥っこレイモンドに引き続き、今回は奥さんのジョーンのプレゼントがあった。
※甥っ子のプレゼントはこれ⇒「カリブ海の秘密」はこちらから
子供の頃に行った時以来、ご無沙汰していたマープルお気に入りのホテル、バートラム・ホテルに来られたのだ!
古き良き時代を思い出させる、食事やサービスにすっかり満足していたミス・マープル。
だが、ちょっと妙なことに気づく。
女性冒険家、べス・セジウィックが来ていたのだ。
彼女は粗野を気どり、常識や慣習にとらわれず、自分の思うがままに生きている。
そんな彼女は、ここにはあまりふさわしくない。
だがベスは、なぜかこのホテルのドアマンとも、知り合いなようだ。
おまけにレーサーで、素行に悪評の高いラジスロース・マリノスキーもこのホテルをうろうろしている・・・。
2人はどうやら知り合いらしいが、なぜここに?
一方、イギリスでは最近、巨大組織がバックにいるような大きな犯罪が多発。
そしてバートラム・ホテルも、なにやら関係しているような雰囲気がある。
また、ホテル常連のペニファザー牧師が、行方不明になり大騒ぎという事件も発生。
こんな生々しい事件とは別に、バートラム・ホテルに来ていたべスの娘・エルヴァイラ。
エルヴァイラは、思いもよらない発言や行動を取り、周りを困惑させる。
そんないろいろなことが水面下で起こった中、ついに起こった殺人事件!
エルヴァイラをかばったドアマン、マイケル・ゴーマンが撃たれたのだ。
だがこの殺人はただの事故なのか?
エルヴァイラは誰かに狙われているのか?
今日もバートラム・ホテルは、深い謎に包まれている・・・。
アガサクリスティ(ミス・マープル)バートラム・ホテルにて 感想

例として出した有頂天ホテルも、マスカレードホテルも、様々な事件が起きていた
ご多分に漏れず、バートラムホテルでも、大きく分けて3つの事件が起こる。
頭がこんがらがるので、まずはそこを詳しく見ていこう
「バートラムホテルにて」見どころ1 3つの謎

事件は大きくこの3つに分かれる。
ペニファザー牧師失踪事件

物忘れの激しいペニファザー牧師。
この日も19日と18日を間違えて、参加するべき会議をすっぽかす羽目に。
仕方なくバートラム・ホテルに帰ってきたら、何者かに殴られ、気が付いたら見知らぬ村で寝ていたのだ。
しかも手当をしてくれた夫人に、こう言われる。
でも自分は、この村に来た覚えはない(もともと物忘れは激しいが)・・・。
ペニファザー牧師を殴り、何も取らず遠く離れた村で(わざわざ)手当てをさせた犯人の狙いは何なのか?
エルヴァイラの謎の行動

女性冒険家、サラの娘・エルヴァイラは21歳になると莫大な遺産を相続できる。
サラの何人目かの夫(エルヴァイラの父)が残した遺産があるのだ。
でもエルヴァイラは、こんなことを、ちょくちょく言うようになっているのだ。
こうした疑問を確かめんがために、みんなに内緒で、危ない手段をとって(犯罪すれすれ)ロンドンの弁護士事務所まで行くくらいだ。
エルヴァイラの狙いは一体何なのか?
そして彼女は母親の知り合い(恋人?)ラジスロースに、恋をしているような一面もあって・・・。
ホテルそのもの

正直、バートラム・ホテルそのものも、ちょっと怪しい。
こんな贅沢な経営をして、成り立っているのかがまず怪しい。
で、支配人・ハンフリーズの、影での口の利き方もちょっと妙だ。
数ある犯罪での目撃者が、バートラム・ホテルにいたという証言もある。
綾辻行人さんの「館シリーズ」というミステリーがある。
館そのものにトリック(抜け道や隠し扉など)があるという、有名なミステリーや。
でも、それとはちょっと違った「建物の存在そのものがちょっと怪しい」という印象があるで!
混乱せんようにしよな!
バートラムホテルにて 見どころ2 古き良きイギリスを感じる食べ物

食べ物の描写が素晴らしいクリスティ作品は、「パディントン発4時50分」がある。
今回も、古き良きイギリスをホーフツとさせる食べ物の描写がある
これもご紹介しておこう!
マフィン

ロンドンで今、本物のマフィンがいただけるとこって、ここだけしかありませんからね。
本物のマフィンですよ。
(略)去年アメリカへ参りましたときには、朝食のメニューにマフィンなるものがありましてね。
(略)レーズンなんか入れた、おやつ用のケーキなんですね。こんなものを、なんでマフィンと呼ばなければならないのかしら。
「バートラムホテルにて」 P14
・・・と思うが、マフィンは2つに分けられるようだ。
本場・イギリスのマフィンは「イングリッシュマフィン」と言われて、半分に割ってバターをたっぷりつけて食する。
このエピソードで「マフィン」と呼ばれるのは、日本では「カップケーキ」に近いかもしれない。
ドーナツ

べス・セジウィックは(略)ドーナツをつまみ上げて、大口を開けてかぶりついた。
こってりした、本物のいちごジャムが、どろりとアゴへこぼれ落ちた(略)
「こいつは本物のドーナツってもんね。すごいわよ」
「バートラムホテルにて」P33~34
まあ、ありえなくはないけど・・・本物って?
と思うかもしれないが、イギリスでドーナツというと穴のあいた代物ではなく、中にジャムを詰めたものなのだ。
そっちが本物みたいやな
アガサクリスティ(ミス・マープル)バートラム・ホテルにて まとめ

ネコ缶評価
3つのストーリーが、ラストで1つにまとまる感はぐっど。
フレッド・デイビー警部も、コロンボみたいで良かった(無理にマープルものにしなくてもよかったのでは?)
とはいえ、殺人のきっかけになるエピソードを、もっと早い段階でネタバレさせておいた方が、話の展開が解りやすくなって、よかったのではないかな~と思う。
殺人もちょっと取って付けた感がある。
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