ある日、新聞広告でこんなものが出たら、皆さんはどう思うだろうか。
当然、そんな広告あなたは出した覚えがない・・・。
・・・と思われるかもしれないが、「そんな事」から始まるミステリーがあるのだ。
それが今回ご紹介するこちら
「予告殺人」!
半信半疑で、でもワクワクしながら、殺人が行われるという家にやってきたみんな。
さあ、これからどうなるのだろう?
詳しくみていこう!
Contents
アガサクリスティ(ミス・マープル)「予告殺人」あらすじ

ある日、新聞広告にこんなものが出ていた。
殺人お知らせ申し上げます。
10月29日・午後6時30分より、リトル・パドックスにて!
お知り合いの方のお越しをお待ちします。
リトル・パドックスの主人、レティシィア・ブラックロックは当惑しながらも、こう思った。
でもこれを読んだ、知り合いの何人かはきっと来ちゃうわね。
・・・・とりあえずお酒と、何か食べるものを出しましょ。
想像通り、好奇心に駆られた何人かがリトル・パドックスを訪れた、問題の6時30分。
いきなり部屋の電気が切れ、誰かが入ってきた。
キャアキャア楽しむ訪問客たち。
だがその後、リトル・パドックス内に、立て続けに3発の銃声がとどろいた。
顔色の変わった客たちが見たものは・・・なんと見知らぬ男の銃殺死体だった!
部屋に押し入った男の名前は、ルディー・シャーツ。
ロイヤル・スパ・ホテルの従業員だ。
だが彼は、何のためにリトル・パドックスを襲ったのか?
そしてルディーは自殺か?他殺か?
その後起こる第2、第3の殺人。
ただの悪ふざけかと思われたイベントは、思ってもみなかった方向に進んでいく・・・。
アガサクリスティ(ミス・マープル)「予告殺人」感想

つかみが完璧。
今日●時から、○○で殺人があります!
お誘いあわせの上どうぞお越しください!
・・・このイントロを読んだら、ミステリーファンならずとも、興味を示すだろう。
ただイントロは無茶ぶりでも、内容は超本格的。
早速内容をみていこう!
「予告殺人」読みこなしポイント1 部屋の見取り図を作成すべし

「予告殺人」の事件現場は密室ではない。
でも、ここでどうやって、だれが銃を撃ったのか?
これが最後まで解らない。
そこで大事になってくるのが「部屋の見取り図」だ。
だがこの部屋の見取り図は、載っていない・・・。
これがあったら、話が解りやすくて、もっと面白くなったろうに~。
めっちゃ残念!
なのでネコ缶が試行錯誤の上、ちょっと書いてみた(稚拙)

窓もあって、いろいろ書いてあったんやけど、あまりよくわからないので省いた。
この事件現場で、大事なのがこれ。
1つ1つは全く重要な鍵にはならないけれど、3つ合わさったときに、ものすごい意味を成す。
「予告殺人」読みこなしポイント2 クリスティの得意技炸裂

クリスティは、感情(特に女性の)を扱うのが非常にうまい。
戦争が終わって平和になったのに退屈を感じる女性・・・
本当は心変わりした婚約者をなじりたいのに、物分かりがいいふりをする女性・・・
自立したくて必死にあがく女性・・・
今回の作品も、それをひしひしと感じる。
父親からひどい扱いを受けてしまい、世の中を逆恨みしてしまう犯人。
本来は受け取るべきはずではないお金を、自分が受け取って当然という心が、この犯人の根底にある。
そして犯罪に手を染めてしまうのだ。
これをクリスティは、ミス・マープルの口を借りてこんな風に言っている
世間に、悪意や怨みを持っている人間は、常に危険です。
その人たちは、世間は自分たちに、なにか償いをするべきだと考えているのです。
「予告殺人」459ページ
犯人とはいえ、同情すべき点はたくさんあるし、共感できるところもある。
でもやっぱり殺人は良くないし、世の中を恨んではいけない。
解っていてもそうしてしまう、「人間」に対するクリスティの洞察の深さに、今回も驚かされること請け合いだ。
アガサクリスティ(ミス・マープル)「予告殺人」まとめ

ネコ缶評価
伏線も、つかみもトリックも本当に文句なしの作品だった。
特に犯人の心理描写はぴかいち。
「殺したくはなかった」という、犯人のつぶやきは本当だろう。
追い込まれた人間の心理も、見事に描かれていた。
応接間しか書けへんかったけど、玄関や台所に続くドアなんかも、欲しいところやった!
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