アガサクリスティの生んだ名探偵と言えば「ポアロ」と「マープル」
もうこの2人は超有名で、本もたくさん読まれている。
ポアロシリーズおススメはこちら
マープルシリーズおススメはこちら
でもネコ缶、ちょっと思う事がある。
なんとなく作品が、生き生きと明るく進んでいくのだ。
今回ご紹介する「チムニーズ館の秘密」はまさにそんな感じ。

架空の国ヘルツォスロバキアの革命、王政復古、怪しげな政治団体に大泥棒。
モチロン殺人も起こるが、「チムニーズ館の秘密」では、どちらかと言うとわき役だ(あらら)。
ややこしくなりがちなこんな要素を、なぜか生き生きとスピード感あふれる筆使いで書いているクリスティ。
よほど楽しかったんやろうなあ~・・・。
そんな「チムニーズ館の秘密」いってみよ!
Contents
アガサクリスティ「チムニーズ館の秘密」 あらすじ

ツアーコンダクターのアンソニーは、仕事の最中に友人ジェイムズ・マグラスに会う。
そこでこんなことを、ジェイムズから頼まれた。
これを極秘で出版社に届けてほしい。
モチロン報償は出る。
その回想録は、ヘルツォスロバキア国のスキャンダルになるようなことが書かれている。
出版されると、政治的に危なくなる人間が多いが、正義のためには出版した方がいいのだ。
スリルが好きなアンソニーは快諾。
すると、ジェイムズはこんなことも言う。
ジェイムズは、ゆすりの内容になりそうな手紙を、ひょんなことから預かっていた。
女は名前しか解らないが、不安だろうから返却してほしいとのこと。
そしてその手紙の中には「チムニーズ館」の文字があった。
これも快諾したアンソニー。
ここから彼の冒険譚が始まる。
次の日から彼は、「レッドハンド党」を名乗る過激派から命を狙われ、正体不明の人間に手紙を盗まれたり、そして時には死体の処理まで・・・。
アンソニーが回想録を持っていると思われ、謎の大元、チムニーズ館に招待もされる。
全英シンジゲートと、ヘルツォスロベキア国の利権・王政復古をかけた駆け引き。
ヨーロッパを騒がせた大泥棒の登場と、2つの殺人、そして恋・・・。
これらすべての事は「チムニーズ館」で起こる!
アガサクリスティ「チムニーズ館の秘密」 感想

クリスティが、楽しんで書いていることが伝わってくる「チムニーズ館の秘密」。
※ちなみに「チムニーズ館の秘密」の続編はこちら↓

内容がかなり盛沢山なので、整理しながら読んでいこう。
「チムニーズ館の秘密」見どころ1 沢山の要素で成り立つ

チムニーズ館の秘密の内容は、この5つの柱で成り立っている。
「回想録」は前半であっさり役目を終えて拍子抜け。
「手紙」も前半で盗まれるが、ラストで復活し、超重要な役をやってくれる。
この2つが姿を消した後、物語は新しい展開になる。
注目すべきは、すべての謎にチムニーズ館が絡んでいること。
だから「チムニーズ館の秘密」なんやな。
それぞれが複雑に絡み合っているうえ、登場人物も多い。
ぜひとも、メモを取りながら読み進めることをおススメする。
「チムニーズ館の秘密」見どころ2 主役・アンソニーの魅力炸裂

「快男児」という言葉がある。
解りやすく言うと「性格の良い、さわやかなイケメン」ってとこか
もうほとんど使われなくなった言葉だが、この言葉がぴったりな主人公・アンソニーが「チムニーズ館の秘密」を大いに盛り上げてくれている。
最初は「今の仕事に飽き飽きしている、口のうまいイケメンのツアコン」という印象しかない。
だが、物語が進むにつれて、魅力を増してくるのだ。
どんな事にも、ものおじしない度胸
ユーモアと頭の良さ
そして勇気と大胆さ・・・
ツアコンになる前は、一体何をしていたのかが全く謎な上、いろいろな経験をしているというくだりもある。
それだけでなく、ミカエル王子の付き人が、なぜかアンソニーの下僕になりたがったりもするのだ。
物語の最後の方になると、きっとあなたもこう思う。
内容を支える柱の1つに「アンソニーは一体何者なのか」というのも、最後には入ること請け合いやで!
アガサクリスティ「チムニーズ館の秘密」 まとめ

ネコ缶評価
ミステリーというよりは冒険小説。
「ビッグ4」とか「茶色の服の男」など、冒険小説をクリスティは何冊か書いているのだが、どうも内容は今一つなのが多い。
今回も内容がちょっとごちゃごちゃしていて、メモは取りながら読んだが、解りにくくミスリードも多い。
だが「まあいっか~」と思わせるくらい、今回はキャラが立った登場人物が多い。
そしてラストは、あっと驚く大団円。
「劇場版コナン」のような、ドタバタテンコ盛りを楽しむ感じで、読んでみるのがおススメ!
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