ミステリーのジャンルは、実はいろいろな種類がある。
「密室もの」とか「列車・トラベルもの」とか、「本格派」に「ユーモアミステリー」とか。
科学捜査に、クローズアップしたものとかもあるよな!
ネコ缶が好きなのはモチロン本格派。
その中でも一番好きなのはこれ
「迷宮入りしたもの・未解決ものを解決すること」
今回、そんなネコ缶の嗜好にドはまりした作品を見つけた。
それはこれ
「赤い博物館」

犯罪資料の博物館・館長を務める、エリート刑事・緋色冴子と、左遷されてきた寺島聡のコンビが、迷宮入りした事件を解き明かしていく物語だ。
詳しくみていこう!
大村誠一郎 赤い博物館 あらすじ・感想

「赤い博物館」は短編集だ。
これらの話で成り立っている。
- パンの身代金
- 復讐日記
- 死が共犯者を別つまで
- 炎
- 死に至る思い
それぞれのあらすじと、ネコ缶の感想をざっと書いていく。
パンの身代金

「罪の声」でも扱った「グリコ・森永事件」をテーマにしていると感じられる物語。
「罪の声」小説レビューはこちら
「罪の声」映画の感想はこちら
謎解きもよく出来ているが、寺田聡がこの博物館に来た理由や、緋色冴子の個性的な人となりもがっつり紹介。
そしてこれから続くであろう、人間関係の伏線もキチンと張られていて、作者のシリーズ化への意気込みが感じられる。
復讐日記

殺された元カノを救うために奔走する、男性の告白記録という形の作品。
短い話の中にもミスリードがあり、読者は振り回されてしまうかもしれない。
悲しい話だが、犯人と被害者以外の人間皆が、誰かのために奔走しているのは、愛を感じる。
死が共犯者を別つまで

いわゆる「交換殺人」もの。
事故で死ぬ間際の人間が、こんなことを言った。
このたった一言の遺言を頼りに、25年前9月にあった事件を調べるところから始まる。
さすがにこれは、緋色冴子でも難しいのでは・・・と思いきや、きちんと解決。
さすが!と言いたくなる作品。
炎

「私」が5歳の時、両親と叔母が死んだ火事は、誰がやったのか?
犯人は本当に、あの人なのか?
ちょっと歪んだ認識の家族が、引き起こした事件。
これも短いストーリーの中に、どんでん返しが利いていてよくできている。
「このミステリーがすごい」など、いろいろな作家さんの短編をまとめた1冊がある。
そういった本の中にあった作品。
で、大山誠一郎氏を調べていると「赤い博物館」にいきついたという訳やで!
死に至る思い

26年前に起こった殺人事件と、細かいところまで全く同じ手口の殺人事件が起こる。
事件をここまで知り尽くしているのは、いったい誰なのか?
・・・もしかして犯人は、26年前に事件を担当した刑事なのか?
緋色冴子モノが続きそうな予感を感じさせるラスト。
続編・長編期待してます。
大村誠一郎 赤い博物館 まとめ

ネコ缶評価
短編だけど、とてもしっかり作られた本格もの。
鮎川哲也の「赤い密室」をホーフツとさせるような、短いけれども濃い話ばかりで大満足だった。
ただ惜しいのは、主人公・緋色冴子の話し方。
ぶっきらぼうな女性という設定だからなのだが、この話し方が鼻につく。
「~だ」「~しておいてくれたまえ」
男性も入った会話になると、頭がこんがらがるのでネコ缶はこれが苦手なのだ。
そこだけマイナス0.5。
とはいえこれはネコ缶の好みの問題。本格派が好きな人は、大満足できる作品だろう。
続編、お待ちしています!
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