アガサクリスティ

アガサクリスティ「死への旅」ネコ缶的には比較的当たった方のスパイもの

アガサクリスティは、ミステリーだけでなく恋愛ものをメアリ・ウエストマコット名義で書いていた。

メアリ・ウエストマコットの作品はこちらから

ところが恋愛ものとは別に、クリスティは、スパイものも結構書いているのだ。

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ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
ほかにもいろいろあるで。
トニー&タペンスという、スパイ夫婦のシリーズ作品も書いてるしな

個人的に、ミステリー以外のジャンルであれば、恋愛の方に軍配を上げる。

心理描写や人間関係を書くのが上手い、クリスティの本領が発揮されてる気がするからだ。

でも今回の「死への旅」は、スパイものの中では比較的面白く読めた。

ヒロインが中年主婦というところに親近感があったのかもしれん。

ではみていこう、「死への旅」!

アガサクリスティ「死への旅」 あらすじ

夫の浮気や、我が子の死で気が滅入り、自殺をしようと飛行機に乗ったヒラリー。

だがそこで、トンでもないことを言い出す人・ジェソップに出会う。

ジェソップ 
ジェソップ 
オリーヴ・ベターソンという女性にになりすまして、旅をしてほしい 

オリーヴ・ベターソンという女性は、科学者の夫を持つ主婦。

だがその夫が行方不明になる。

オリーヴは心配しすぎて病んでしまい、転地療養と称して飛行機に乗った。

だが、その飛行機が墜落。
オリーヴは死んでしまうのだ・・・。

実は、優秀な科学者たちが最近次々に消息を絶っていた。
オリーヴの夫、トーマスもそのうちの1人だったのだ。

科学者たちが次々に消息を絶っているのは、何か大きな組織が裏で関係しているのでは・・・

諜報部のジェソップたちが、そう考えていた。

オリーヴは転地療養ではなく、本当はコッソリ夫に会いに行くのではないか?
誰かに指図されているのではないか?

消えた科学者の謎を解くカギ、はオリーヴにあるとみたジェソップ。

オリーヴと同じ髪の色をしたヒラリーに、調査をしてほしいというのだ。

ヒラリー 
ヒラリー 
失敗したらどうなるの? 
ジェソップ 
ジェソップ 
当然死が待っていますよ。

でもどうせあなたは死にたかったのでしょう?
ちょうどいいではないですか(笑) 

こんなやり取りの後、ヒラリーはオリーヴ・ベターソンになることを決意。
トーマスに会いに行くことにする。

ヒラリーは、バレることなく真相に入り込めるのか?
夫に会ったとき、別人だと解ったらどうなるのか?

組織の大掛かりな犯罪に、平凡な主婦が挑む

アガサクリスティ「死への旅」 感想

旅行が好きなクリスティらしく、主人公ヒラリーもヨーロッパからアフリカ、中近東、さまざまなところを移動している。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
否応なしの、強制移動やけどな

今回、ネコ缶がおや?と思ったところをみていこう。

「死への旅」見どころ1 科学者たちの闇

オウム真理教事件を知っているだろうか。

かれこれ20年以上前の事なので、若い方は知らない人も多いかもしれない。

でも当時学生だったネコ缶は、ずいぶん肝を冷やしたものだ
「オウム真理教」詳しくはこちらから

今回、「死への旅」を読んでいると、その「オウム真理教」を思い出した。

外部との接触を一切禁じられて、とんでもない犯罪に手を染めてしまった高学歴の科学者たたち。
作られた建物の異様さと完璧さ。
明晰な頭脳を持っているはずなのに、悪のトップに陶酔してしまう人たち・・・。

ここが共通しているのだ。

「死への旅」に出てくる、行方不明になった優秀な科学者たちが、最終的に集まっていたのは、まさしくオウム真理教のサティアンみたいなことろだったのだ。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
オウム真理教のサティアンよりは、大分ましそうやったけどな~

「死への旅」・トップの人物の演説はこんな感じだった。

ヒラリーはのちに彼の言葉を思い出そうとしたが、正確には思い出せなかった。

(略)聞いている時はけっして陳腐だとは思わなかった。
(略)だが知らず知らずのうちに、胸を打たれ気持ちが高揚してきた。

聴衆を陶酔させたのは、所長の言葉そのものではなく、所長の持つ不思議な力だった。
「死への旅」P279~P280

いつの時代も独裁者は、人間心理を良く知っている。

簡単な言い回しを使い、人を高揚させるような話し方、人が興奮しやすい時間や場所を選ぶ。

そして人が持つ心の隙を狙うのだ。

今も昔もそこは変わらない。

ある意味こんなことができるのは才能だ。
良い方に使えばいいが、たいていは悪い方に使われるんやよなあ・・・。

「死への旅」見どころ2 ヒロインはごくごく平凡な主婦スパイ?

クリスティが書く、スパイもののヒロインは、とにかく元気一杯の若い女性が多い。

ところが今回のヒロイン・ヒラリーは、子供を亡くし、夫に浮気された主婦だ。

特に何かが優れているわけでもなく、特別に美人でもない。
ホントにどこにでもいる、平々凡々した中年女性なのだ。

だがそんな自殺しそこねた女性が、意外ながんばりを見せる。

オリーヴになりきる勉強も見事にやってのけ、諜報部員ジェソップにこう言わせる。

あなたならきっとやり通せる、あなたは優秀な生徒だ。

「死への旅」P82

そして敵のアジトに乗り込んだ後は、この武器↓でなんとかやり通すのだ。

ここでの暮らし(収容所の暮らし)を、ごく自然なものと受け入れるようになった。

(略)こんな風に無謀なまでの順応性を示すのは、自分が女性であることも関係しているはずだと彼女は思った。

「死への旅」p263

ここ、同じ中年女性としてネコ缶も共感できるで。

やいやいいっても仕方ないなら、そこで十分楽しみを見つければいい。

で、反撃のチャンスを、時間をかけて虎視眈々と狙う・・・。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
そこまで何か特技のない人の武器、それは「順応性」やな!

アガサクリスティ「死への旅」 まとめ

ネコ缶評価

あっさりと終わりすぎたラストだが、きらりと光るミステリー要素があった。

これをメインにして書いていけば、もっと良くなったのではなかろうか。

そこだけ残念~。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
低評価なことが多い「死への旅」やけど、ネコ缶は結構楽しめたで!

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