クリスティの、トニー&タペンスと言えば、知っている人は少ないかもしれない。
彼らの作品数も4作しかないうえ、最初の3作はなんと約20年に1冊という超スローペースなのだ。
1922年 秘密機関
1941年 NかMか
1968年 親指のうずき
1973年 運命の裏木戸
ただ「NかMか」から作品が出ない時、クリスティの元に世界中からこんな手紙がたくさん来たという。
「その後、トニー&タペンスはどうなりました?今は何をやっていますか?」
今回ご紹介する「親指のうずき」は、そんな声に後押しされて出版されたのだろうか。
若かったトミタぺも、もう60過ぎ。
今回はどんな冒険をしてくれるのか?
早速見ていこう!
Contents
アガサクリスティ(トミー&タペンス)「親指のうずき」 あらすじ

トミーとタペンスは、叔母の住む老人ホーム・サニーリッジへ出かけた。
相変わらず口の悪い叔母のエイダ。
罵られ、仕方なく部屋を出されたタペンス。
行く当てもなく、施設内のサロンに行った所、1人の老女と出会う。
彼女の名前はランカスター夫人。
ランカスター夫人といろいろ話すうちに、彼女は思いがけずこんなことを言った。
・・・あれはあなたのお子さんでしたの?
驚くタペンス。
だがランカスター夫人は続けた。
戸惑いながらも、ランカスター夫人と別れたタペンス。
エイダ叔母はその後すぐに死亡。
謎の発言をしたランカスター夫人も、引き取る人が現れてサニーリッジを去った。
ランカスター夫人から貰ったという絵を返そうと、連絡してみると・・・。
誰にもつながらない。
しかも、滞在していたというホテルには、行った形跡すらないのだ!
ランカスター夫人はいったいどこへ?
引き取りに来たジョンソン夫人とは何者か?
ランカスター夫人が残した1枚の絵。
その絵に描かれた家に、見覚えがあるというタペンスの勘を頼りに、捜査に2人が乗り出す!
アガサクリスティ(トミー&タペンス)「親指のうずき」 感想

設定が、今(2021年)に大分近くなっている。
お年よりは豊富な遺産を持ち、家族や親族(や、召使)にかしずかれて、世話をされる時代は終わっていた。
彼らは老人ホームでケアをされている。
そして痴ほう症を思わせる症状の方々が、出て来たりしていた。
今回の「親指のうずき」も、そんな背景を生かした設定だ。
面白いポイントがいくつかあるので紹介していこう!
「親指のうずき」 面白ポイント1 ミステリーの名言あり

クリスティミステリーの名言と言えば「葬儀を終えて」のコーラのこの発言。
この衝撃の一言で、事件が始まり、ぐいぐい読者は引っ張られていく。
今回「親指のうずき」に、それに匹敵するぐらいの名言があった。
ボーッと暖炉を見てるとき、こんなことを言われると普通に怖い。
だが、このひと言を発したランカスター夫人が、その後行方不明になることでますます怖くなってくるのだ。
そしてこの一言の意味が、最後の最後で解るのだが、「あ、それってそういう意味やったの?」って驚愕する。
これが「親指のうずき」の最大の見せ場やで!
「親指のうずき」 面白ポイント2 怪しげな事件多発

トニタぺが調査をしていくと、妙な出来事や、未解決事件が次々と出てくる。
まずはタペンス部門から。
タペンスの調査で解った謎
このウォーターズという人物は、一体誰なのかはよくわからない。
そしてタペンスは、とうとうその子のお墓を見つけるが、その見つけた矢先、何者かに襲われるのだ。
犯人は○○(登場人物の中にいる)という噂もあるが、いまだにわからずじまい・・・。
いやこの事件、普通にヤバい。
切り裂きジャックをホーフツとさせる。
これまた噂だが、そのリリアンも子供も、その後誰も見ていない。
ランカスター夫人を探していたはずが、過去にぐんぐんさかのぼる事になるのがタペンスだ。
トミーの調査で解った謎
モルヒネなんて、普段使う薬では決してない。
しかも、調べていくと、過去に不審死が何件かあったという・・・。
サニーリッジで殺人があったのか?
これが判明したとき、物語の謎のピースがすべてそろう。
そしてこの、最後の謎の見つかり方が劇的だ。
この謎を見つける鍵は、トニタぺシリーズの名わき役が大活躍してくれるで!
そう思う方もいるかもしれない。
でもラストは、お決まりの鬼気迫るサスペンスになるので楽しみにしてな!
アガサクリスティ(トミー&タペンス)「親指のうずき」 まとめ

ネコ缶評価
「NかMか」が、トニタぺの最高傑作という声が多い。
「NかMか」詳しくはこちらから
確かに「NかMか」は傑作だ。
「親ゆびのうずき」には、広げたミステリーの細かいところを回収しきれなかった感もある。
でもネコ缶的には、内容に深みがある「親ゆびのうずき」の方がおススメやな!
トミー&タペンスを詳しく知りたい方はこちら⇒トミタぺの順番とおススメの1冊はこれ!
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