クリスティと言えばミステリーと相場が決まっていると、かつてのネコ缶は思っていた。
ところがどっこい、意外とそれ以外の作品も多い。
恋愛ものとか⇒クリスティの恋愛小説はこちら!
スパイものとか⇒トミー&タペンスシリーズはこちら
数は少ないが、幻想的な話もあった⇒謎のクィン氏
今回ご紹介する「死の猟犬」はこれらのどのジャンルでもない。
オカルト&ホラーものなのだ。
霊媒師に精神科医、死神に霊みたいな存在がじゃんじゃん出てくる。
もちろんミステリー要素を含んだものもある。
早速みていこう
Contents
アガサクリスティ(短編)「死の猟犬」あらすじ&感想
「死の猟犬」はこの作品からなる。
- 死の猟犬
- 赤信号
- 第四の男
- ジプシー
- ランプ
- ★ラジオ
- ★検察側の証人
- 青い壺の謎
- アーサー・カーマイクル卿の奇妙な事件
- 翼の呼ぶ声
- ★最後の降霊会
- S.O.S
※★はネコ缶の好きな話
実を言うとネコ缶、ホラーは苦手・・。
綾辻行人さんの、館シリーズも「人形館の殺人」「びっくり館の殺人」の評価は低めや。
「人形館の殺人」詳しくはこちら
「びっくり館の殺人」詳しくはこちら
でもクリスティのホラーはそこまで不気味ではないので、苦手な人も読めるで!
早速みていこう。
「死の猟犬」死の猟犬 あらすじ&感想
戦争が始まったころの話。
とある村の大きな修道院に、ドイツ軍が入っていくと・・・
いっぺんに何もかもが吹き飛んでしまったのだ!
残されたがれきには火薬の跡がついていたが、それが大きな猟犬の形となっていた。
その修道院にいたシスターが生き残っていたが、彼女の様子が少し妙で・・・
強いショックを受けたシスターの話に終始している。
ホラーチックな話だが、幻想的な要素も入ってる。
「死の猟犬」赤信号 あらすじ&感想
ダーモットと友人のジャック・トレントは、ちょっとした集まりを友人と開いていた。
そこへは霊媒師も呼ばれており、彼女はこういった。
「今日、ここにいる男性の1人は、うちへ帰ってはなりません」
男性たちは笑い、ダンスへ行ったり普通に帰ったりした。
ダーモットも帰宅すると、なんと伯父のアリントン卿が銃殺されていた!
そしてその銃らしきものが、彼の引き出しに入っていて・・・・
「恋愛小説の匠」なクリスティの要素もあり
「死の猟犬」第四の男 あらすじ&感想
列車のボックス席に座っていた3人の男は「多重人格者のフェリシー・ボウル」という女性について話していた。
すると突然、奥の席にいたもう一人の男性が笑いだした。
その男はフェリシー・ボウルを知っていたうえ、多重人格になってしまった
いきさつすらも知っていたのだ・・・。
いじめ抜かれて嫌っていた親なのに、気づいたら自分の心の中にいつも居座って・・・みたいな。
「死の猟犬」ジプシー あらすじ&感想
ディックは昔から、ジプシーの悪夢に悩まされていた。
そして実際にジプシーに会ったときに、予言めいたことを言われてからはますますジプシーを恐れるように。
そして大人になったとき、結婚したいと思った女性の母親はまるでジプシーのようで、またしても彼に予言めいたことを言うのだった・・
今回は虚言ではなくリアル。
本物だった。こわ。
「死の猟犬」ランプ あらすじ&感想
そこで子供が悲惨な死を遂げたという、いわくありげな家を借りた気丈なランカスター夫人。
しばらくは何ともなかったが、ランカスター夫人の息子と父親は、子供の泣き声を聞くようになる。
ランカスター夫人の息子・ジェフは、泣いている子供をなんとかしてやりたいと思い・・・
クリスティらしく、幽霊の話でも知性が光るタイトルが良い。
個人的に母でもあるネコ缶は、子供がかわいそうな話はダメだ。
読めない
「死の猟犬」ラジオ あらすじ&感想
ハーター夫人は、甥に取り付けてもらったラジオを気に入って、毎日聞いていた。
そんなある日、こんな声を聞く
「お前を迎えに行く」
それは大分前に亡くなったハーター夫人の夫の声。
その声はとうとうこんなことを言った
「金曜日の夜9時30分にお前を迎えにいく」
気丈にも、身支度を整えていたハーター夫人だったが・・
犯人も容易に想像がつく。
とはいえ、ハーター夫人が死の準備をするエピソードは共感できるし、十分コワかった
「死の猟犬」検察側の証人 あらすじ&感想
レナード・ヴォールは親しくなった老女を殺害したとして裁判にかけられていた。
彼が無実の証明をしてくれるのは、レナードの妻・ロメイン。
だがなんと、彼女は奥さんではなかった。
それだけではなく、レナードを強く恨んでいるともいう。
レナードを助けたい弁護士は途方にくれるが、とある手紙をもらって希望を持つ
(ホラーの作品集に入っているとは驚き)
戯曲でも有名なだけあって、最後のオチがものすごく舞台向き
「死の猟犬」青い壺の謎 あらすじ&感想
ジャック・ハーティントンは、ゴルフの練習中にこんな声を聞いた。
「人殺し!助けてえ!」
だが彼以外にその声を聞いた人物はいない。
自分の妄想かと不安になり、ゴルフをやめるジャック。
だが同じ声を聞いたという少女が現れ、失踪したロシア人夫婦の話と、青い壺の絵を見せられる・・・
「火曜クラブ」の「金塊事件」に近い内容。
「死の猟犬」アーサー・カーマイクル卿の奇妙な事件 あらすじ&感想
アーサー・カーマイクルは、ある日突然おかしくなってしまった。
何故そうなってしまったのか、原因に思い当たるふしはない。
ただアーサーの継母には少々不気味なところがあり、いるはずのないネコの姿を見たり、声を聞くことがあって・・・
時々思うが、クリスティは、東洋人に対して結構偏見がある。
ここでもそれが出てて苦笑い。
「死の猟犬」翼の呼ぶ声 あらすじ&感想
お金持ちのサイラス・ヘイラーは、不思議な男を見た。
素晴らしく美形な、足のない男が、巧みにフルートを演奏するのだ。
この男に会ってから、サイラスの生活は一変する。
何かに引っ張られるような感じがしてしまうのだ。
そして彼はその原因を知りたいと、フルートを吹く美青年を探し・・・
クリスティの晩年は、ヘイラーのように考えていたのだろうかと推察する。
「死の猟犬」最後の降霊会 あらすじ&感想
シモーヌは優れた霊媒師。
これまでにいくつかの降霊会を成功させ、高評価を得ていた。
でもそれは彼女のパワーを奪うこと。
今や彼女はクタクタに疲れていた。
今回の降霊会を最後にしてほしいと、恋人兼降霊のマネージャー・ラウールに告げる。
だが最後の客は、子供を亡くした母で、一筋縄ではいかぬ客だった・・・
ラストはやっぱり、パタリロと同じくハッピーエンドではないが、ネコ缶は好きな話
「死の猟犬」S.O.S あらすじ&感想
周りにだれも住んでいないような僻地に、家を構えたディンズミード家。
夕食を食べようとした矢先に、車が壊れたと訪ねてきた男・モーティマーがいた。
親切に対応してくれるディンズミード家。
だがモーティマーは、この家に流れる緊張した妙な空気を感じていた。
そして寝室のテーブルに「S.O.S」の文字が書かれているのを見つける・・・
最後の話は、ちゃんとしたトリックと、薬学の知識で飾ったな!
アガサクリスティ(短編)「死の猟犬」 まとめ
ネコ缶評価
血みどろやゾンビは出てこないので、ホラーが苦手でも十分読める。
とはいえ、純粋なミステリーを期待して読むのは危険。
「ちょっと毛色の違うクリスティ」を期待して読もう!
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