タイトルに「おや」と思った。
菩提樹ってあんまりなじみがないが、シューベルトの歌曲でそんなんあったなあって。
昔伝記マンガで読んだ(笑)
イチョウや桜ほどなじみはないけど、名前がカッコいい「菩提樹」。
今回は、それがタイトルについているミステリーを手に取ってみた
40~100ページくらいの短・中編が4作入った作家アリスシリーズ12作目(国名シリーズのぞく)いってみよ!
Contents
「菩提樹荘の殺人」あらすじ&感想
菩提樹荘の殺人はこの4作からなってる。
- アポロンのナイフ
- ★雛人形を笑え
- 探偵・青の時代
- 菩提樹荘の殺人
★はネコ缶の好きな話
「若さ」がテーマらしく、被害者・容疑者も若い人が多い。
内容をみていこう!
「菩提樹荘の殺人」 アポロンのナイフ あらすじ&感想
アポロンを思わせるような、美少年の高校生による連続無差別殺人が、東京で起こっていた。
日本中を震撼させる中、大阪でも2件の殺人事件が発生。
「アポロン」は大阪まで来ていたのか?
アリスが公園で見た美少年がそうなのか?
だが大阪の被害者2人は、別れた恋人同士でもあり、怨恨の線も捨てきれず・・・。
未成年者の犯人の、仮名報道にも疑問を投げかける作品
ラストで少年犯罪について書かれている文章は、そのまま有栖川氏の思いなのだろうと思わせる。
「菩提樹荘の殺人」 雛人形を笑え あらすじ&感想
売り出し中の漫才コンビ「雛人形」。
そのメビナこと、矢園歌穂が何者かに殺された。
容疑者は4人。
相方のオビナこと帯名雄大、マネージャーの佐野健也。
そしてメビナの、元相方・伊場裕伸、オビナの元相方・小坂ミノリ
誰もが完璧なアリバイがないかわりに、犯人だという決め手も無かった。
捜査が行き詰まりかけた時、火村はメビナの死体が妙な格好をしていたことから真実に気づいて・・・
崩せそうで崩せないアリバイと、芸能界で成功をつかむための暗部が丁寧に描かれている。
犯人の気質にムカッと来るのは、ネコ缶だけではないはずやで!
「菩提樹荘の殺人」 探偵・青の時代 あらすじ&感想
火村がまだ大学生の頃の話。
ちょっと若者らしくない火村は、キャンパス内でも浮いた存在。
でも勉強熱心で、シャープな頭脳をもつ彼に、周りは興味深々でもあった。
そこで「勉強会」と称して、火村を飲み会に引っ張り出した7人。
でも会が始まる前に、何かが起こってしまったらしい。
何が起こったのかを、遅刻してきた火村に見破らせようとしたが・・・・
「栴檀は双葉より芳しい」ということわざをホーフツとさせる(もっと若くないとダメかな)ような、火村の推理力が冴えに冴える。
34ページと短いが、まとまっててヨイ
「菩提樹荘の殺人」 菩提樹荘の殺人 あらすじ&感想
テレビでも有名なカウンセラー・桜沢友一郎が、池のほとりで何者かに撲殺されていた。
それだけでなく、下着だけを残し、後はみぐるみをはがれていたのだ。
桜沢はアンチエイジングに関する本を出すだけあって、若々しいプレイボーイ。
数多くの女性と浮名を流していたが、容疑者はその中から2人の女性にしぼられた。
彼との結婚を望んだ長束と、彼との別れを望んだ北澄。
どちらにもはっきりしたアリバイがないうえ、身ぐるみをはがされた理由もよくわからない・・・。
悪くはないが、ラストが少々お粗末になってしまった。
2人の容疑者とアリバイでかなり引っ張っていたが、真犯人の動機と考え方にちょっと納得がいかないところがある。
2人の中から「あの件」を動機として、犯人にした方がよかった気がする。
「菩提樹荘の殺人」まとめ
ネコ缶評価
どれも力が入った話。
有栖川氏は短編をよく書くが、100ページくらいの作品がとても面白い。
火村とアリスのかけあいも平常運転で、どれも力作。
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