以前、短編のポアロを紹介したことがあった。
ヘイスティングズと一緒に、事件を追うポアロの話が満載な作品で、読みやすい作品だ。
だが、いかんせん話が短かったので、少々物足りなさも。
でも今回ご紹介する短編「死人の鏡」は、話の長さも平均100ページとぐっと長くなり、中身も濃くなってる
どんな話なのか?見ていこう。
Contents
アガサクリスティ「死人の鏡」あらすじ&感想
「死人の鏡」はこの話が入っている
- 厩舎街の殺人
- 謎の盗難事件
- ★★死人の鏡
- 砂にかかれた三角形
「死人の鏡」は、表題作になるだけあって、短編とはいえかなり中身の濃い話。
もっと伸ばして長編にしてもよかったかもしれない。
では詳しく見ていこう!
「死人の鏡」 厩舎街の殺人 あらすじ&感想
厩舎街14番地で、女性の死体・アレン夫人が見つかった。
右手に持ったピストルで頭を打ち抜いているうえ、密室だったので、自殺で決着がつきかける。
だが傷口は左耳の上。
遺書もない上、かけた鍵もどこにも見当たらない。
夜の9時に訪問した男が捜査線上に上がるが、彼はアレン夫人に「見送られて」いたという。
そのうえアレン夫人は、誰かに恐喝されていたかもしれない・・・ということも判明。
さあアレン夫人は自殺なのか?
他殺なのか?
そしてクリスティの作品では珍しい密室もの。
でもやっぱりメインは「どうやって密室を作ったのか」ではなく、人間心理の追求になるのがお約束やな。
「死人の鏡」 謎の盗難事件 あらすじ&感想
メイフィールド卿と、友人の元海軍キャリントンは、家族や友人を交えた食事会をしていた。
和やかに食事も済み、メイフィールドとキャリントンは散歩に。
だが散歩から戻ってくると、なんと重要な機密書類が何者かに盗まれていた!
その書類が海外に流出すると、メイフィールド卿も国も大変なことに。
事態を重く見たキャリントンは、友人のために名探偵と噂の高いエルキュール・ポアロを呼び寄せる・・・。
短い中ページ数の中にも、ミステリー要素はてんこ盛り。
ただの盗難かと思いきや、クリスティの好きなサスペンス要素で結末やで
「死人の鏡」 死人の鏡 あらすじ&感想
ポアロのところに、こんな内容の手紙が届く。
極秘に処理しなければならない事件が起こりました。
準備を整えてください・・・
手紙を出したのは、豪快で大胆な人柄で有名な、ジャーヴァス・シェルニックス・ゴア準男爵。
不思議に思いつつ、ポアロが彼のところに行ってみると、なんと彼は密室の中、ピストルで頭を撃ち抜いていた・・。
屋敷にいたのは本人以外、家族友人併せて7人。
それぞれに怪しいところや、思惑があった。
ジャーヴァスは自殺なのか?他殺なのか?
そして密室にした手段と理由は?
そして「謎のクィン氏」「三幕の殺人」で出ていたサタースウェイトが、ちょっとだけだが出てくるので、これまた嬉しい。
内容は150ページを使う表題作で、読み応えたっぷり。
いっそ、もう少し伸ばして長編にしても良かった。
登場人物それぞれの証言が全部違っているうえ、怪しいところが出るわ出るわで、ミステリーマニアはポアロと一緒に悩むこと必死。
「オリエント急行殺人事件」詳しくはこちら
「ゴルフ場殺人事件」詳しくはこちら
「謎のクィン氏」詳しくはこちら
「三幕の殺人」詳しくはこちら
「死人の鏡」 砂にかかれた三角形 あらすじ&感想
ロードス島に休暇に来ていたポアロ。
そこには2組の夫婦と2人の女性、1人の男性がいた。
夫婦の名前はダグラス・ゴールドとマージョリー夫婦、トニー・チャントリーとヴァレンタイン・チャントリー。
派手好きで浮気なヴァレンタインは、これまで5回結婚と離婚を繰り返していた。
そして今回もまたダグラスに夢中になり、言い寄り初めて・・・
話がよく似ている。
今でもヴァレンタインのような女性はいるだろうが、こういう女性がたどる道はたいていこうなるよなあ・・・。
でも本当に怖いのは・・・(ここから先は読んでみような)
アガサクリスティ「死人の鏡」 まとめ
ネコ缶評価
短編とはいえ、少々長めなので読み応えがある。
ポアロ初心者や、長い話が苦手な人は「ポアロ登場」。
マニアの人や、長編好きな人は「死人の鏡」をおすすめやで!
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