加賀恭一郎シリーズ

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)あらすじ・感想・ネタバレまとめ「卒業」

ネコ缶、この読書ブログを始めてから楽しみが増えた反面、心残りが1つあった。

それはこれ

読書ブログを始める前に、東野圭吾をほぼ読破していたこと

あれほど有名な作者のコトを、書いていないのはホントにもったいない

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
しかもマイベスト5くらいは作ってた・・・ 

まあいっか・・・
1回読んだミステリー、もう一回読むのは好きや無いし・・・

と思いつつも

東野さんを書かなかったら悔いが残る!

せっかく全部読んだのに!

というわけでネコ缶、2022年の目標はこちらにしました

 

東野圭吾さんの書評をブログに書く

 

てなわけで今年(2022年)は東野圭吾さんをどこまで読めるか?
楽しみにしててな~。

てなわけで第1回目は、ネコ缶大好きな加賀恭一郎シリーズからいきます。

第一回目は「卒業」やで!

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「卒業」あらすじ

加賀恭一郎は、T大学の剣道部に所属する4年生。

テニスや剣道をする7人組仲間とつるんだり、剣道の大会に出たりしながら卒業を待つ身だった。

そんなある日のこと、仲間のうちの一人・祥子が、寮で死体で見つかる。

手首を切ったことによる出血多量死だった。

祥子は自殺なのか、他殺なのか?

ハッキリしないまま時間がたち、仲間たちの空気も微妙なものが流れ始める・・・。

そんなある日、茶道部の恩師・南沢雅子の誕生日祝いを兼ねたお茶会「雪月花」が開かれる。

気まずい空気も、なんとかなるだろうと参加した仲間たち。

だがお茶会の最中に事件が起こり、仲間の一人が服毒死してしまう!

状況的に第三者が毒を盛ることは不可能。

犯人はこの中に?
親友だったはずの仲間なのに?
犯人は一体誰?そして何のために?

学生・加賀恭一郎の推理が光る

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「卒業」感想

40年近く前(昭和61年出版)の大学生7人組が遭遇した事件。
この後10作書かれることになる、加賀恭一郎シリーズ第一段だ。

バブル期の大学生とはいえ、軽さは一切無い。
加賀の仲間たちはそれぞれカップルになり、結婚の話も出ているが、ラブシーンなどは一切出てこない超お堅い作品。

主役の加賀にしてもヒロイン・沙都子にプロポーズしつつも、剣道一直線だ。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
コナンの京極さんみたいやなあ・・・。

そんなお堅い作品「卒業」の見所を詳しくみていこう

「卒業」見所 グループの結束を襲う2つの事件

「卒業」にはこの7人が出てくる。

  • 加賀恭一郎(剣道部)
  • 相原沙都子(剣道部)
  • 金井波香(剣道部)
  • 藤堂正彦
  • 牧村祥子
  • 若生勇(テニス部)
  • 井沢華江(テニス部)

※アイコンが同じ人たちは、お付き合いをしてるってことな

そしてこの中の一人祥子が、まず死体で見つかるのだが、この謎がつきまとう。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
自殺なのか他殺なのかが、ハッキリせん 

そしてこの事件後、雪月花のお茶会でも仲間が不審な死を遂げる。

だがそれも同様に、自殺か他殺かハッキリしないのだ。

これは動揺する。

もし自殺であっても

 
 
なんで私たちに相談してくれなかったのか・・・。親友だったのに・・・。 

という感情が仲間内に残る。

そして他殺であっても

 
 
状況的に、仲間内の誰かが犯人の確立が高い・・・。なぜ?仲間なのに・・ 

ずっとこのモヤモヤがつきまとい、ヒロイン沙都子を苦しめるのだ。

これが「卒業」の謎解き以外のテーマなのではないだろうか。

友達ってなんだろ・・・というのは永遠のテーマなんやな。

また、この友情って何だというテーマを通して、加賀恭一郎の人となりが表現されている場面があるので次で見ていこう。

「卒業」見所2 加賀恭一郎の人となり

加賀恭一郎は、後々刑事になる。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
シリーズになるもんな 

だが「卒業」の段階では、刑事か教師か悩んだあげく、教師をとる。

 
 
あれ?刑事じゃないの? 

という疑問はさておき、彼のこんな台詞がある。

果たして俺たちは、他の者の事をどれだけ知っているんだろう?
(略)本当は何も知らないんじゃないのか?」

彼は続けた

「○○は自殺かもしれない。
いや今はその可能性が強いと言うべきかもしれないな。

しかし俺たちはその動機について何一つ手がかりをもってはいない。
親友だったはずなのに、実際は○○のコトをなにも知らなかったんだ。

祥子の時もそうだった。

そんな俺たちが、例えば××や△△の事をどれだけ知り尽くしてるといえるだろう?

「卒業」P192

※ネタバレを防ぐために○とか△とか入れました。

夫婦でも親子でも通じる、この加賀の言葉。

大学生とは思えないような深い発言だが、彼の家庭環境を知ると納得出来る。

この言葉、これから始まる加賀恭一郎シリーズに、こんな予感をくれる

 
 
ああ、こんな風にこの人は冷静(時として冷酷)に事件に対して取り組むんだな・・・ 

この当時は教師を目指している加賀だが、すでに刑事としての素質を見せていると読者は気づくだろう。

そしてこれは、「見所1」でも述べた、友人ってなんだ???仲間ってなんだ?という問いかけの答えにもなっているのだ。

いつ加賀が刑事になるのか?

それも楽しみにしつつ、シリーズ残り9作を追いかけていこう。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
それにしても、絶対先生より刑事に向いてるよな、この人・・・

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「卒業」まとめ

ネコ缶評価

剣道と華道という、超堅めの要素が謎解きの土台。

要素だけでなく、キャラもみんな真面目(そこまで個性も強くない)
後々の東野さんを思うと、「卒業」は文章も硬い。

祥子の事件の結末も、ちょっとスッキリしないものがあった。

ただ、理系の東野さんらしい密室トリックはナイス。
華道のトリックも、とても珍しいものだった。

「卒業」は、加賀恭一郎のデビュー作ということ。

ここから始まる加賀ストーリーと、いつ刑事になるのか?そのきっかけは?

それを知るために読む・・・ということにしておこう。

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