加賀恭一郎シリーズ

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「私が彼を殺した」あらすじ・感想・ネタバレまとめ

前回、「作品のどこにも犯人の名前が書いていない」という1冊をご紹介した。

これな↓

どちらかが彼女を殺した
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「どちらかが彼女を殺した」詳しくはこちら

「どちらかが彼女を殺した」は、見た事のないミステリーの構成としてかなり度肝を抜かれた。

そして今回ご紹介する「私が彼を殺した」は、同じ構成のミステリー第2段だ。

私が彼を殺した
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「私が彼を殺した」は、容疑者が3人に増える。

しかも殺害された時が、結婚式の最中という超ドラマチックなシチュエーションだ。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
絶対面白いよな

「どちらかが彼女を殺した」や、他作品と比較しながら詳しくみていこう!

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「私が彼を殺した」あらすじ

穂高誠は脚本家でもあり小説家でもあり、自分で事務所を構える社長でもある。

甘いマスクも持ち合わせた、モテモテな彼が結婚を決めた。

そのお相手の名前は神林美和子。

元OLのベストセラー詩人だ。

自分の仕事の幅を広げるという下心を持ちつつ、美和子と結婚することにした穂高。

仕事も家庭も順風満帆・・・と思いきや、思いもかけないことが起こる。

一方的に捨てた「元カノ」準子が、結婚式の前日に、穂高の家の庭で服毒自殺をしたのだ!

焦った穂高は、部下の駿河と死体の隠蔽を図る。

準子のマンションに死体を運び、何事もなかったかのように式を挙げようとしたが・・・・

今度はなんと、式の途中に穂高が毒を飲まされて死んでしまう!

しかもその毒は、準子が飲んだ毒と同じ物・・・。

一体誰が穂高を殺したのか?

穂高を担当する編集者・雪笹もかつて一方的に降られた元カノ。
部下の駿河も、支配的な穂高を憎んでいる。

そして神林美和子の兄・貴弘も、妹とただならぬ関係をもっていた。

3人の容疑者はそれぞれ動機は十分。

加賀は犯人を見つけることが出来るのか・・・・

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「私が彼を殺した」感想

今回も加賀と一緒に犯人を推理していく構成だが、難易度は「彼女が彼を殺した」よりも少々上。

だが犯人が解らなくても大丈夫。

今回も前回同様、物語最後の袋とじの部分にちゃんと解説があるのだ。
(そして解説も前回と同じく、西上心太さん)

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
とはいえ今回も、犯人は○○と書いてあるわけやないで!

最後まで犯人はボカされたまんまや。 

見所と推理のポイントを紹介していこう。

「私が彼を殺した」見どころ1 次々変化する視点

前回の「どちらかが彼女を殺した」は、視点がずーっと康正だった。

だが「私が彼を殺した」では、章ごとに加賀を含めた4人の視点がめまぐるしく変化。

なので、一つの事件を多角的に眺めることが出来て、とても面白いのだ。

このやり方・・・ネコ缶はアガサクリスティのこれを思い出した。

「5匹の子豚」

五匹の子豚
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「5匹の子豚」詳しくはこちら

1つの事件を様々な人物(容疑者)の視点で見ていくと、同じ事件でも受け止め方が全く違うので、違う作品を読んでいるかのような印象を受ける。

そして何より、この構成はメチャクチャ面白いのだ。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
一人で何役もやってるお芝居をみるような感じ。

役者さんの腕が試されるように、このやり方は作家さんの筆力が試されるな!

だが、当然何もかもが同じという訳ではない。

「5匹の子豚」との違いはこれだ。

容疑者2人は「自分が殺した、自分は完全犯罪をやり遂げた!」と思ってる

それを加賀が、例によって丁寧かつ冷静な捜査で、もう1人の容疑者も含めた3人をガンガン追い込んでいく。

 
 
一体この3人の誰が穂高を・・・?

いやもしかして他の誰かが???
共犯とか? 

次々変わる視点に読者は、それぞれの容疑者に感情移入しながら疑いをかけていく。

そして最後は、加賀が集められた容疑者たちを前に、ポアロさながらに名推理を披露。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「どちらかが彼女を殺した」は、トリックの他に加賀と康正の友情が見ものやった。

一方「私が彼女を殺した」は、視点の変化と、ラストの加賀の名推理が見ものやで!

「私が彼を殺した」見どころ2 ピルケースと薬の動きから目を離さないこと

読み始めると、これにすぐに気づくだろう。

 
 
真相解明には、ピルケースと薬の動きに注視することが必至なのでは・・・? 

ご名答!

ピルケースと薬は「私が彼女を殺した」を攻略するには必須事項なのだ。

いつ、どんな手段で、誰が飲ませたのか???

これをただひたすらに追いかけていくことが「私が彼を殺した」の最大の醍醐味。

細かい事でも必ずメモをとっておくこと!

でないとラストの袋とじを読んだところで、こう叫ぶことになるで

 
 
 ぎえーっ、それは見落としてた~!!!
キーッ悔しい!!!

ネコ缶も叫んだで!

東野圭吾(加賀恭一郎シリーズ)「私が彼を殺した」まとめ

私が彼を殺した
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ネコ缶評価

加賀恭一郎シリーズのこのあたりは、東野圭吾さんがいろいろな作風にチャレンジしていると見える。

その目新しい作風が好きかどうか?
安心して読める作品ではないが、それをよしとするかどうか??

それが「私が彼を殺した」の、好き嫌いを分ける大きな要素になるやろうな。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
ネコ缶、今回もなかなか犯人を当てられへんかった~! 

 

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