今村昌弘氏といえば、「屍人荘の殺人」で、「このミステリーがすごい!」2018年度版国内編第1位、第18回本格ミステリ大賞を受賞した、新進気鋭の作家さんだ。
そんな「屍人荘の殺人」はネコ缶もさっそく読ませてもらった。
「屍人荘の殺人」はこちらから
その今村昌弘氏が、2作目を発表したということで、早速読んでみた。
それはこちら
「魔眼の匣の殺人」
表紙の絵も前回に似せており、続編という事がすぐわかるようになってる。
実はネコ缶、「屍人荘の殺人」は、あまりいい評価をつけなかった。
なので実はあまり期待はせずに読んだんやけど・・・
結果はこれな。
「1作目より面白いやん!」
期待の新人2作目、早速紹介しよか!
Contents
「魔眼の匣の殺人」今村昌弘 あらすじ
紫湛荘の夏合宿から月日が流れた。
班目組織のことは気になりながらも、葉村と比留子は、以前のような学生生活を取り戻しつつあった。
そんなある日、班目機関が、何十年も前に、W県の奥で超能力の開発を行っていたという情報を入手。
班目機関撲滅のために、w県の山深くに調査に行く葉村と比留子。
途中で様々な人と合流しながら、目的地「魔眼の匣」とうわさされる、奇妙な建物にたどり着く。
友人同士や家族もいたけど、基本的に初対面な。
魔眼の匣にいたのは、様々な予言を的中してきた「サキミ」という老女。
そのサキミが言う。
唯一外界とつながる橋は、この町の住人に焼き落されてしまった。
閉じ込められた葉村たちを、恐怖と混乱が襲う中、ついに最初の犠牲者が・・・。
葉村たちは逃げ切れるのか?
そして班目機関の謎は暴くことができるのか?
「魔眼の匣の殺人」今村昌弘 感想
ネコ缶はミステリーに持ち込んでほしくないモノがある。
それはこれな
- 子供(被害者として残酷に殺されたり、あまりにも気の毒な環境で登場したらかわいそうで見られない)
- 超能力や幽霊(これ出したらなんでもありになるので、一気にテンションが下がる)
- ストーリーに関係のない恋愛(主人公は謎解きに集中してください)
正直、「屍人荘の殺人」では、屍人(ゾンビ)が出てきたので、一気にテンションが下がった。
そして今回は「超能力者の予言」がベースの物語という事だったので、これまた一気にテンションダウン。
でも読み進めていくと、超能力を駆使した物語(幻魔大戦みたいな?)ではなかったのでホッと一安心。
そしてラストもなかなか良かった。
でもネコ缶は、前回よりはこちらの方がよかった。
登場人物のキャラ設定がしっかりしており、出てくる人数もベスト。
超能力も、いい感じに使われてたと思うで
細かく見どころをみていこう
魔眼の匣の殺人 見どころ1 クローズドサークル&予言
「屍人荘の殺人」もクローズドサークルものだったが、今回もそれ。
人気のない山奥の家に何人かで行き、吊り橋が燃やされて帰れない、そして起こる連続殺人・・・というパターンだ。
双頭の悪魔は吊り橋が雨でながれたんやな。
よくあるクローズドサークルのパターンと思うかもしれないが、魔眼の匣の殺人は、ここに「超能力者の予言」がプラスされる。
定番の「クローズドサークル+連続殺人」という要素に、超能力者の予言というスパイスが入ることで、ぐっと物語が面白くなるのだ。
この辺り、超能力の使い方が上手かったなと思うところやな。
ちなみに、クローズドサークルものの頂点は「そして誰もいなくなった」やな。
「そして誰もいなくなった」は、連続殺人にマザーグースの歌と人形をプラスしたが、「魔眼の匣の殺人」でも予言の他に4体の人形が出てきて、人が死ぬごとに1つ亡くなっていくという設定。
魔眼の匣の殺人 見どころ2 ラストのどんでん返しが秀逸
超能力者サキミは、物語途中で自殺をするのだが、結局死ねないままラストまでくる。
最後の最後で、そんなサキミを比留子が見舞う。
と誰もが思うパターンだが、ところがどっこい、ここからがすごいのだ。
連続殺人を誰がどうやってやったか、予言は当たるのかに重きを置きすぎていて、この辺りは全くノ―マークだった。
今回も日留子氏、大活躍&眼力がさえわたるで
魔眼の匣の殺人 ちょっと残念なポイント
人にもよるだろうが、殺人の動機が「?」だった。
いや、こんな動機で人を殺すだろうか?という動機。
この人物を犯人にする伏線が、良かっただけにちょっと残念。
もっと強い動機が欲しかったと思う。
「魔眼の匣の殺人」今村昌弘 まとめ
ネコ缶評価
前回、魅力あるキャラの明智氏が、あまりにも早くに退場してしまったのが残念だったので、ひょっとしたら「魔眼の匣の殺人」でひょこっと出てくるのでは・・・と思った。
が、その期待は裏切られた(ちぇ)。
そろそろ斑目ネタとは違う話を読みたいと思うのだが、ラスト2行を読むと、またこの班目ネタで3作目に続くようや。
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