綾辻行人の人気シリーズで「館シリーズ」というものがある。
中村青司という、謎の建築家が作った豪邸が毎回登場。
そしてその館の中に、精巧なからくりが施されているという設定だ。
そんないわくありげな館に、名探偵・鹿谷門実(島田潔)というキャラも合わせたミステリーが「館シリーズ」。
30年以上、9作続いている人気のシリーズだ。
そう思う皆様のために、今回その館シリーズの順番と、読むときの注意点をまとめてみました!
ちなみに「館シリーズ」を、読むときの注意点はこれ。
「どこから読んでも話は解るが、できれば順番通りに読むことをおススメします!」
ではいってみましょう!
Contents
綾辻行人(館シリーズ)1 「十角館の殺人」
ネコ缶評価
館シリーズの記念すべき第1段。
1人ずつ、島に集まった学生が死んでいき、最後に残った1人ですらいなくなってしまう。
「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品ということは、マニアであればすぐに気づくだろう。
ところが最後の1人が死んでも、やっぱりそこで物語は終わらない。
ラストの、超ウルトラどんでん返しは、「えーっ??」と声を上げて、読み返すこと請け合いだ。
綾辻行人(館シリーズ)2 「水車館の殺人」
ネコ缶評価
綾辻行人氏は「構成には凝る」そうだ。
それが顕著にうかがえる作品。
1年前と現在が、交互に書かれていて、きちんと読み込んでいかないと混乱することは必至だ。
内容は、1日にさまざまな4つの事件が起こり、すっきりしないまま1年がたつ頃、島田潔が訪ねてきて真相を探るというもの。
緻密な作品で、水車館の造りも壮大。
水車館のご主人も、やけどの跡を隠すために、犬神家のスケキヨのような仮面をかぶっているという不気味さも漂う。
「館シリーズ」の本領が、ここからじわじわと出てくる作品だ。
綾辻行人(館シリーズ)3 「迷路館の殺人」
ネコ缶評価
最後まで読めばわかるが、館シリーズにはいろいろな館が出てくる。
その中で、軽い閉所恐怖症のネコ缶が、ダントツに住みたくない家はこれだ。
迷路だけでもうんざりするのだが、それがあるのがなんと地下。
逃げ場を無くしたミステリー作家が4人が、閉じ込められた中で次々に殺されていくのだ。
本の中に本が入っているというとても変わった構成と、館のからくりがいよいよ本格化していく作品。
綾辻行人(館シリーズ)4 「人形館の殺人」
ネコ缶評価(10段階評価)
タイトルだけで怖そうな作品。
いたるところに、不完全なマネキン人形が置かれていて、決してどけてはいけないという遺言まである、古い豪家が舞台だ。
そしてそこで事件が起こる・・。
マネキンが家のあちこちに・・・というだけでもかなり不気味だが、この作品はミステリーというより、かなり「狂気」に走っている。
ラストはちょっとうーん・・・となってしまう。
綾辻行人(館シリーズ)5 「時計館の殺人」
ネコ缶評価
館シリーズには「シーズン1」と「シーズン2」があるとネコ缶は思う。
「時計館の殺人」は、そのシーズン1のラスト。
登場人物も多く、死体も物語で1,2を争うくらい多く出てくるのではないだろうか。
久しく出てこなかった「江南くん」(十角館の殺人に登場したキャラ)が、社会人となり登場。
何年かぶりに会った島田潔氏と、タッグを組んで物語を進めてくれる。
姿の見えない殺人鬼に、次々と閉じ込められた登場人物が惨殺される内容なので、館シリーズ1、ハラハラすること請け合い。
綾辻行人(館シリーズ)6 「黒猫館の殺人」
ネコ缶評価
個人的に、とても設定が好きな作品。
館シリーズでベスト3に入るだろう。
密室のトリックが甘いとか、被害者の死亡原因に「えーっつ」と思ったりとか、欠点はいろいろある。
でもとにかく、トリックが奇想天外で良かった。
いままでこんなラストをしたミステリーを、マニアのネコ缶でも見たことがなく、綾辻氏の頭脳に素直に圧倒された。
綾辻行人(館シリーズ)7 「暗黒館の殺人」
ネコ缶評価
館シリーズ1、長い作品なので(2500ページ)ちょっと覚悟が必要。
とはいえ、後半の内容の大半は謎解き。
残り3分の1になったら一気に読めるので、そこまでぜひ頑張ってほしい。
何もかもが真っ黒な、暗黒館を舞台にして殺人事件(現在版も、過去版もあり)は起こる。
だが謎解きやミステリーというよりも、浦登家の何十年も続く「膨大な闇をひも解く」という感じで話は進む。
当然ホラー要素も狂気も、相当強い。
館シリーズの原点ともいえる作品で、謎はすべてここから始まる・・みたいな作品だ。
読む順番を守ってほしいという理由の大半が、この作品の存在のため。
綾辻行人(館シリーズ)8 「びっくり館の殺人」
ネコ缶評価(十段階評価)
館シリーズ唯一、子供向けにかかれているという触れ込みの作品。
実際に図書館で、子供向けの本棚にあったのを、ネコ缶は確認している。
とはいえ内容は子供にはかなりヘビー。
虐待や、近親相姦を思わせるような記述のうえに、当然殺人もある。
子供に見せるより、やっぱり館シリーズの一部として考えたほうが無難。
もちろん館シリーズにいつもある、館のからくりは健在だが、今までに出てきたキャラも姿を見せない、「館シリーズ」番外編ともいえる作品。
読了後の後味の悪さは相当なモノなので、注意して読もう!
綾辻行人(館シリーズ)9 「奇面館の殺人」
ネコ缶評価
館というより仮面が主役の物語。
登場人物全員が仮面をかぶり、首だけ切られた死体にも仮面。
殺人動機にも仮面が絡んだと思えば、館トリックも仮面がらみだ。
ここまで読んだ人は、館シリーズは、ホラー要素や狂気が強い作品が多いと思う人も多いかもしれない。
だが意外にも「奇面館の殺人」は、手堅くまとめた正統派ミステリーだ。
鹿谷門実(島田潔)も久しぶりに(?)最初から出て活躍してくれる。
ちょっと長いと感じるかもしれないが、内容は比較的読みやすいので、意外とスッと読める。
綾辻行人(館シリーズ) 読む順番と読むときのポイント まとめ
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ではまとめますね!
1「十角館の殺人」
2「水車館の殺人」
3「迷路館の殺人」
4「人形館の殺人」
5「時計館の殺人」
6「黒猫館の殺人」
7「暗黒館の殺人」
8「びっくり館の殺人」
9「奇面館の殺人」
基本的に、どこから読んでも話は解る。
でも、この理由↓から、順番通りに読んだ読んだ方が面白さは倍増だ。
・ミステリーマニア「島田潔」から、あるところからミステリー作家の「鹿谷門実」に変わる
(その理由もちゃんとあるので、順番を間違えると「?」となるかも)
・ちょこちょこ「○○館ではこうだった」という前作の話が出てくる
・暗黒館の殺人は「エピソード0」な立ち位置。
今までの話を読んでおかないと、面白さが激減
綾辻行人は独特の世界。
ホラー好きの方なら、楽しめますよ!
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