アガサクリスティのポアロシリーズは全部で33冊ある。
同じくアガサクリスティの、ミス・マープルシリーズの12冊に比べると、倍以上の多さだ。
それだけ人気があったという事なのだろうが、これだけ多いとフトこんな疑問が出てくる。
結論から言うと、どれから読んでも大丈夫。
途中から読んで、話が解らない・・・という事はないが、これだけは押さえておこう
ラストの「カーテン」だけは最後に読むこと!
でも順番通りに読みたい方のために、ここでポアロの順番をご紹介します!
Contents
- ポアロシリーズの順番1「スタイルズ荘の怪事件」
- ポアロシリーズの順番2「ゴルフ場殺人事件」
- ポアロシリーズの順番3「アクロイド殺し」
- ポアロシリーズの順番4「ビッグ4」
- ポアロシリーズの順番5「青列車の秘密」
- ポアロシリーズの順番6「邪悪の家」
- ポアロシリーズの順番7「エッジウェア卿の死」
- ポアロシリーズの順番8「オリエント急行殺人事件」
- ポアロシリーズの順番9「三幕の殺人」
- ポアロシリーズの順番10「雲をつかむ死」
- ポアロシリーズの順番11「ABC殺人事件」
- ポアロシリーズの順番12「メソポタミアの殺人」
- ポアロシリーズの順番13「ひらいたトランプ」
- ポアロシリーズの順番14「もの言えぬ証人」
- ポアロシリーズの順番15「ナイルに死す」
- ポアロシリーズの順番16「死との約束」
- ポアロシリーズの順番17「ポアロのクリスマス」
- ポアロシリーズの順番18「杉の柩」
- ポアロシリーズの順番19「愛国殺人」
- ポアロシリーズの順番20「白昼の悪魔」
- ポアロシリーズの順番21「5匹の子豚」
- ポアロシリーズの順番22「ホロー荘の殺人」
- ポアロシリーズの順番23「満潮に乗って」
- ポアロシリーズの順番24「マギンディ夫人は死んだ」
- ポアロシリーズの順番25「葬儀を終えて」
- ポアロシリーズの順番26「ヒッコリーロードの殺人」
- ポアロシリーズの順番27「死者のあやまち」
- ポアロシリーズの順番28「鳩のなかの猫」
- ポアロシリーズの順番29「複数の時計」
- ポアロシリーズの順番30「第三の女」
- ポアロシリーズの順番31「ハロウィーンパーティ」
- ポアロシリーズの順番32「象は忘れない」
- ポアロシリーズの順番33「カーテン」
- アガサクリスティ・ポアロシリーズ順番 まとめ
ポアロシリーズの順番1「スタイルズ荘の怪事件」
ネコ缶評価
ポアロのデビュー作。
クリスティ円熟期の文章と比べると、粗削りな感じは否めない。
だが構成や、毒に精通しているところなど、クリスティの良さ・個性が早くも表れた作品。
ポアロシリーズの順番2「ゴルフ場殺人事件」
ネコ缶評価
ポアロが以来を受けてさっそく行ってみると、その依頼主はすでに死んでいた・・・。
こんな出だしから始まる物語。
ゴルフはちっとも出ないが(建設中だってことだけ)話は本格的でナイス。
ポアロシリーズの順番3「アクロイド殺し」
ネコ缶評価
ラストがとにかく衝撃的。
設定、トリック、すべてが良くできている。
ネコ缶が「殿堂入り」と呼んでいる作品のひとつ。
殿堂入りについてはこちらから
ポアロシリーズの順番4「ビッグ4」
ネコ缶評価
ミステリー・推理小説というよりは、サスペンス。
国のためにポアロが戦う・・・という感じなのだ。
いつもとはちょっと毛色の違う話
ポアロシリーズの順番5「青列車の秘密」
ネコ缶の評価
あまりにも有名な「オリエント急行殺人事件」の姉妹版と言おうか。
列車内の殺人事件というところは同じだが、こっちは恋愛のもつれと、宝石盗難もからんでいる。
ポアロシリーズの順番6「邪悪の家」
ネコ缶の評価
3回も命を狙われているという女性(ニック)が登場。
ポアロが護衛を言い出すんやけど、まだまだ狙われ続けるニック・・・。
ニックが狙われる理由がわかったときから、物語が俄然面白くなるで。
ポアロシリーズの順番7「エッジウェア卿の死」
ネコ缶評価
トリックに度肝を抜かれた。
そういう方法があったのかあ~・・と歯ぎしりすること請け合い。
個人的にはエッジウェア卿の性質を、もう少し掘り下げてほしかったところ。
ポアロシリーズの順番8「オリエント急行殺人事件」
ネコ缶評価
名作中の名作。
もはやネコ缶がどーこー言わなくても、素晴らしさは全世界に伝わってる。
オマージュ作品もあるし、映画化もされている。
これからクリスティを読んでみたい人は、必ず押さえておこう。
殿堂入りの作品でもある
ポアロシリーズの順番9「三幕の殺人」
ネコ缶評価
俳優とプロデューサー、そしてその友人の女性とポアロが、2手に別れて捜査するという珍しい内容。
ちょっと俳優の気質が鼻につくけど、なかなか面白いで!
ポアロシリーズの順番10「雲をつかむ死」
ネコ缶評価
子供用文庫にもなってる、比較的読みやすい作品。
(だが謎は本格的)
小道具の使い方が上手い!
ポアロシリーズの順番11「ABC殺人事件」
ネコ缶評価
Aから始まる町でAで始まる名前の人物が殺された。
Bで始まる町でBさんがまた殺された、お次はCで・・・。
でもこれ無差別殺人でも、愉快犯でもないんやで。
犯人と思われる人間の記述と、物語の同時進行という書き方が物凄くナイス。
連続殺人事件の考え方が変わるで!
ポアロシリーズの順番12「メソポタミアの殺人」
ネコ缶評価
異国情緒漂う傑作。
「ちょっとゆるめの密室殺人」のトリックが素晴らしい。
同じく「ちょっとゆるめの脅迫状」の謎もなかなか面白くて、読み応えのある1冊
ポアロシリーズの順番13「ひらいたトランプ」
ネコ缶評価
設定がうなるくらいすごい。
4人でトランプしてたら、ちょっと離れたとこに座ってた人が死んだ。
で、その部屋には5人しかいなかったっていう、ありえへん設定。
ラスト、3回どんでん返しがあるから楽しみにしててな~。
ルールを知らんくても、物語は面白く読めるで!
ポアロシリーズの順番14「もの言えぬ証人」
ネコ缶評価
クリスティの得意技は「遺産相続&家族の確執」だ。
これを書かせたら天下一品。
「もの言えぬ証人」はそれにプラス、犬が重要な役割をしてくれる点がナイス。
ポアロシリーズの順番15「ナイルに死す」
ネコ缶評価
略奪愛に豪華客船の新婚旅行、ストーカ―になってしまった親友、スピード感あふれる犯罪。そしてポアロが見せる優しさ・・・。
どれをとってもポアロシリーズNo1!
400ページを超す長さやけど、全く飽きさせない。
ポアロシリーズ、どれを読もうか迷ったときは、これをおススメする。
ポアロシリーズの順番16「死との約束」
ネコ缶評価
最近は「閉ざされた家族」というのは時々聞く。
クリスティの時代にも、そんな悲惨な家族があったらしい。
「死との約束」はそんな一家と、そこから出ようと、もがく人間が起こすミステリー。
ポアロシリーズの順番17「ポアロのクリスマス」
ネコ缶評価
閉ざされた家族の女性版は「死との約束」。
男性版は「ポアロのクリスマス」だ。
とにかくここの父親は、自由を許さず支配的。そして陰険だ。
今回その支配者は密室で殺されるのだが、クリスティの密室はなかなか珍しいので必見。
ポアロシリーズの順番18「杉の柩」
ネコ缶評価
ミステリーの女王・クリスティだが、「女性の心理」を書かせても女王なんじゃなかろうか。
この「杉の柩」は3人の女性の心理を、えぐるように細かく書いている。
ポアロシリーズの順番19「愛国殺人」
ネコ缶評価
ポアロはミステリ―小説と思いきや、時々サスペンスものになる。
典型的なのは「ビッグ4」なのだが、これもなかなかのもの。
「命の重さ」について犯人と喧々諤々する場面もあって、なかなか歯ごたえのある内容だ。
ポアロシリーズの順番20「白昼の悪魔」
ネコ缶評価
「ナイルに死す」は”親友の彼氏を取った略奪愛&ストーカー行為”がベースだが、「白昼の悪魔」はズバリ”不倫”だ。
「ドロドロの恋愛もの」かと思いきや、どっこい「ガチガチのトリックもの」だ。
気合入れて読もな!
ポアロシリーズの順番21「5匹の子豚」
ネコ缶評価
ネコ缶が個人的に、押しに押してるのがこの作品。
全く有名じゃない。
映画にもなってなければ、ドラマにもパロディにもなっていない。
でも完璧に面白いのだ。
ポアロお得意の「灰色の脳細胞」が、いかんなく発揮される作品と言えるで!
ポアロシリーズの順番22「ホロー荘の殺人」
ネコ缶評価
ミステリーというより「一人の女性の物語」。
かなり魅力的な、大人の女性が描かれている。
その女性のいわゆる「不倫」の物語なのだが、少しもドロドロしていない。
その生きざま、愛情を、とくと味わう作品。
ポアロシリーズの順番23「満潮に乗って」
ネコ缶評価
「有名じゃないのに、モーレツに面白いクリスティもの」の第2段。
設定だけで「絶対面白いやろ、これ」と思わせる内容。
おまけにタイトルと内容が、憎い位一致していてしびれる。
「5匹の子豚」の次に、ネコ缶が押す作品やな。
ポアロシリーズの順番24「マギンディ夫人は死んだ」
ネコ缶評価
「この事件・・・彼がやったとは思えないんですよ・・・。真相を解明してもらえませんか」
という「刑事の依頼」から始まる珍しい物語。
実は、グーンと昔にさかのぼる必要があったけれど、無事に解決。
冤罪を防いだポアロに拍手!
ポアロシリーズの順番25「葬儀を終えて」
ネコ缶評価
「だってリチャードは殺されたんでしょ?」
コーラのこの一言が発端で、家族が疑心暗鬼になるうえ、殺人事件まで起こってしまうというメガトン級にすごい一言。
トリック・設定だけでなく、現在でもいそうな夫婦、親族間のわだかまりが本当にうまく書かれていて脱帽。
ポアロシリーズの順番26「ヒッコリーロードの殺人」
ネコ缶評価
ポアロシリーズでは珍しい学園もの。
ポアロの秘書も初登場。
学生たちの数が結構多いのと、証拠品のグッズがやたらと多く、ちょっとごちゃごちゃとした印象を受ける。
ポアロシリーズを、すべて踏破したい人にお勧めする。
ポアロシリーズの順番27「死者のあやまち」
ネコ缶評価
イベントの最中に、10代の女子学生が殺される。
この子を殺しても何の得にもならないし、性的被害も受けていない。
何かを見たのだろうと思うが、その何かが皆目見当もつかない。
ポアロもさすがに大苦戦。
最終的には解決するんやけど、そこでタイトルに大納得やで!
ファンの方は楽しみにしててな~。
ポアロシリーズの順番28「鳩のなかの猫」
ネコ缶評価
ポアロシリーズの中では珍しい学園もの第2段。
プラス、サスペンス要素もある物語。
クリスティの学園ものや、サスペンスものは、今一つなのが多いが、これは唯一うまくいっている方。
ポアロシリーズの順番29「複数の時計」
ネコ缶評価
殺人現場に時計が5つ、そして怪しげなご近所さん、何か過去がありそうな第一発見者の女性、別の事件を追う秘密諜報員・・・。
面白くなりそうな要素が、これだけテンコ盛りにあったけど、最後が尻すぼみになったのがホント残念。
ポアロシリーズの順番30「第三の女」
ネコ缶評価
「犯人はいるのに事件がない」という珍しい作品。
オリヴァ夫人がかなり活躍するので(負傷までする)ファンの方は必見。
女の人が独立して暮らして、オフィスで働いてるで。
ポアロシリーズの順番31「ハロウィーンパーティ」
ネコ缶評価
楽しいパーティが一転、殺害現場になるというお話。
そしてパーティでの殺人事件をきっかけに、過去に起こった事件がじわじわと明らかになる様子は、ちょっとゾクゾクする。
クリスティ後半作品で時々出てくる「ちょっと幻想的な場面」もあり。
ポアロシリーズの順番32「象は忘れない」
ネコ缶評価
「(お次の「カーテン」やなくて)ここで終わっといた方が、よかったんやないかなあ・・・」
とネコ缶が切に思う作品。
物語全体がほんわかしてるし、同窓会的な雰囲気まである。
ここにヘイスティングスを入れたら、オリヴァ夫人もいるし、大団円やなかったんかあ~と悔しい。マジで。
むかーしの話をポアロが掘り起こす形やで。
ポアロシリーズの順番33「カーテン」
ネコ缶評価
ポアロシリーズラストは衝撃のひとこと。
久しぶりのヘイスティングス登場と、スタイルズ荘が出てくるので、ファンの人は嬉しいと思う。
けど!
ラストは本当に悲しい。
これしか方法がなかったというポアロの正義感、かっこよさ。
ヘイスティングスとの友情、昔からこんな犯罪者がいたのかと思う恐怖、ヘイスティングスの個性的なワガママ娘・・・。
いろいろな要素が入っていて、ポアロファンなら絶対に読んでほしい1冊。
でも絶対に、最後に読んでな!
アガサクリスティ・ポアロシリーズ順番 まとめ
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ポアロシリーズは、基本的にどこから読んでも大丈夫。
10番目から読んでも、20番目から読んでも、話が解らないという事は全然ない。
でも!
もう一回言うで!
ラストの「カーテン」だけは、
ポアロシリーズを堪能した後に読んでな!
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