殺人事件の現場に、トンでもないものが落ちていたら、それだけで話は面白くなる。
と、読者をワクワクさせてくれる。
今回ご紹介する「ポケットにライ麦を」も、殺害された被害者から「?」というものが出てくる。
それは「ライ麦」
被害者のスーツの胸ポケットに、ライ麦が入っていたのだ。
さてこれはどんな意味があったのだろか?
「ポケットにライ麦を」さっそくみていこう!
Contents
アガサクリスティ(ミス・マープル)「ポケットにライ麦を」 あらすじ

レックス・フォテスキューは、やり手の投資信託会社の社長。
だがある日、会社で紅茶を飲んだとたん、苦しみだして死んでしまう。
そして不思議なことに、彼の上着のポケットからは、いくつかのライ麦が出てきた。
突然の当主の死に、動揺するフォテスキュー家。
だが、彼の死を悲しむ人は皆無・・・。
息子のパーシヴァルは、父の無謀な投資に手を焼いていたし、娘のエレイヌは結婚を反対されて悲しんでいた。
そのうえ30歳も若い後妻は、愛人を作って夢中ときたら、家族のだれが犯人でもおかしくない・・・。
そんな中、有力容疑者として疑われていた、30歳年下のレックスの妻・アディールも、午後のお茶の時に毒殺される。
ほぼ同時期に、メイドのグラディスも絞殺。
そのうえなぜかグラディスは、洗濯ばさみで鼻をつままれていた・・・。
捜査が難航する中、グラディスを昔雇っていたということで、心配したミス・マープルがセントメアリー・ミードからやってくる。
彼女が警察から話を聞いて、まず言ったことはこんな事だった。
ミス・マープルが言いたかったことは何なのか?
この時期に、勘当された放蕩息子の次男・ランスロットが帰ってきたのは、なぜなのか?
怪しげな召使、訳あり気な家族、ミス・マープルがおしゃべりに耳を傾けながら、真相をあばく。
アガサクリスティ(ミス・マープル)「ポケットにライ麦を」 感想

かなり面白い話。
人間関係も、さほどややこしくなく、すんなり読めてしまう。
読みこなしポイントを書いていこう!
「ポケットにライ麦を」読みこなしポイント1 3つのアプローチ方法

事件は難航するが、真相解明へのアプローチの仕方は3つある。
読者の皆さんも、たいていこのうちのどれかだろうと思うはず。
その通り、物語も主にこの3つの路線の推理で進んでいくが、必ずどこかで壁にぶちあたる。
これと思った容疑者に、強固なアリバイがあったり、被害者になったりするのだ。
真打登場!やで
「ポケットにライ麦を」読みこなしポイント2 第2・第3の殺人時の時系列

アディールとグラディスが殺されたのは、ほぼ同じ時間帯。
2人ともフォテスキューのお屋敷(イチイ荘)にいた。
ちょっとややこしいので、しっかり整理しておこう。
4:35頃 メアリー・タブが、人目を忍ぶような男の人影を見る
4:40 ・アディーレが図書室でお茶を待つ
・グラディスがお茶の用意をし、図書室へもっていく
・エレイヌが図書室に入る
※この後、グラディスは、運ぶはずのお菓子の盆をほったらかしにして、行方不明に⇒その後、絞殺死体で発見される
5:00 メアリー・タブがジェニファを呼びに行くと、ジェニファは外出着を着ており、こう言う
ランスロット登場、お茶に参加
その後、ランスロットは伯母のいる2階へ、挨拶のため移動
5:25 ジェニファ退室、その後エレイヌ退室
5:55 アディール毒殺死体で発見される
ちょっと細かいが、ここはものすごく重要な場面。
しっかり把握しておこう!
「ポケットにライ麦を」読みこなしポイント3 アガサクリスティの得意技

アガサクリスティは、薬剤師として働いていた事がある。
こちらでも驚くような毒が使われていた↓
ポアロシリーズ「3幕の殺人」
ポアロシリーズでも、デビュー作から驚くような毒の性質を書いてくれた↓
ポアロシリーズ「スタイルズ荘の怪事件」
「ポケットにライ麦を」でも、聞いたことがない毒を使って、物語を盛り上げてくれてるで!
アガサクリスティ(ミス・マープル)「ポケットにライ麦を」 まとめ
ネコ缶評価
かなりよくできた話。
読んでいて全く退屈もしないし、ややこしくもない。
そして最後は、驚きの犯人で締めくくってくれる。
謎解きのヒントは「イケメン」。
イケメンだからこそ、できた犯罪とだけ言っておこう!
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