アガサクリスティのデビュー作と言うと、もしかしたらこれを思い浮かべる人も多いかもしれない。
「そして誰もいなくなった」
でもこれは間違い。
ものすごく有名で、アガサクリスティの代名詞になってるから、ついついまちがえてしまうが、本当はこっちなのだ。
「スタイルズ荘の怪事件」
そして、「スタイルズ荘の怪事件」は、アガサクリスティのデビュー作にして、なんとポアロのデビュー作でもあるのだ。
そんな巨匠二人のデビュー作「スタイルズ荘の怪事件」いってみよ!
Contents
アガサクリスティ(ポアロ)「スタイルズ荘の怪事件」あらすじ
傷病兵として、休暇を与えられたヘイスティングズ。
行くところもないので、友人・ジョンの家「スタイルズ荘」にやってきた。
久しぶりの再会で、楽しい時間を過ごす二人。
その時ジョンの母であり、スタイルズ荘の女主人エミリーは、なんと20歳も年下の男性と結婚していた。
財産めあてだと、よく思わない人も多く、ビミョーな空気が漂うスタイルズ荘。
そしてついに恐れていたことが起こる。
女主人エイミーが毒殺されるのだ!
事件の前日に、エミリーが口論していたのは誰なのか?
そしてエミリーが燃やした遺言は、いつ書かれたものなのか?
エミリーが口にした毒は、いつ、どうやって飲ませたのだろうか?
そしてみんなから疑われる、エイミーの夫には完璧なアリバイがあって・・・。
長期化しそうだとにらんだヘイスティングズは、ポアロに解決を依頼。
灰色の脳細胞の物語がここから始まる!
アガサクリスティ(ポアロ)「スタイルズ荘の怪事件」感想
これが最初に読んだ時の、正直なネコ缶の感想
メモをしながら読んだが、それでもついていけず、出版社を変えてもう一度読み直し、メモも新しく取り直した。
そこでようやく理解できたのだ・・・とほほ・・・。
ちょっと難解な「スタイルズ荘殺人事件」の読みこなしポイントを書いていこう
「スタイルズ荘の怪事件」読みこなしポイント1 7月17日の時系列を細かく書いておくこと
※スタイルズ荘、2F見取り図
エミリー毒殺事件が起こったのは、7月18日の未明なのだが、7月17日に実にいろいろなことが起こる
7月17日 午後の時系列
- 4:00 エミリー、誰かと言い争う
その後、誰かに手紙を書こうとしていた - 4:30 新しい遺言状を作り、2人の召使に署名させる
これが燃やされていたのか? - この後、ジョンの妻メアリーと、エミリーが口論になる
- 夕方、バウアスタイン博士がスタイルズ荘を訪問、みんなでコーヒーを飲む
- 7:15 召使がエミリーの分のコーヒーを2Fへ持っていく
- 8:00 エミリーが部屋にコーヒーを持って入る
これを、とりあえずしっかりと頭に入れておくこと!
そうすると、大分話が解りやすくなる。
「スタイルズ荘の怪事件」読みこなしポイント2 検視審問の証言内容をしっかり書いておくこと
※スタイルズ荘、エミリーの部屋
日本ではあまりなじみがないが、ポアロ時代の本を読んでいると、実によく出てくるのがこれ。
「検視審問」
裁判みたいなものなのだが、容疑者たちがそれぞれ証言してくれる。
誰が何を言ったのか、しっかりと書いておこう!
「スタイルズ荘の怪事件」は、時系列と証言をメモしたうえで、2回読むことをお勧めする。
「スタイルズ荘の怪事件」読みこなしポイント3 ちょっと覚悟しておこう
この「スタイルズ荘の怪事件」の、複雑な感じは「アクロイド殺し」に似ている印象を受ける。
「アクロイド殺し」詳しくはこちら
だが、アクロイド殺しより妙に複雑な印象を受けるのは、この理由かもしれない
- 伏線の貼り方がちょっと不十分
- ものすごく細かい
- 毒の使い方が超マニアック
最後の最後で「ええ?そんなことがいま判明するの?」と思うことがあったり、毒が入っていたと疑われるコーヒーとココアの動きも、ちょっと解りにくい位細かい。
結構重要だと思われる「ミセス・レイクス」という人物は、何の説明も解説もないままだった。
そして、絶対に解らないと思うのが、毒殺の方法だ。
もと薬剤師の、アガサクリスティの面目躍如なのだが、この殺人方法を思いつくのは、アガサクリスティしかいないと思う。
この3つがが骨の折れるところだが、ここをクリアすると、とても面白い内容が見えてくる。
メモを取りながら頑張ってほしい。
アガサクリスティ(ポアロ)「スタイルズ荘の怪事件」 まとめ
ネコ缶評価
ちょっと粗削りで、読むのに骨が折れる作品だが、構成はやっぱり、さすがアガサクリスティだなと思う。
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