家政婦というのは、とかく不思議な存在だ。
お姫様や奥様のような、豪華な暮らしをするわけではない。
ましてや主人公になったりも・・・しない。
でも!
そんな黒子的存在の「家政婦」が大活躍するミステリーがある。
それが今回ご紹介するこちら!
「パディントン発4時50分」
ここに出てくるルーシー・アイルズバロウは、そんじょそこらの家政婦ではない。
家事が出来るのは当たり前、オックスフォード大学を優秀な成績で卒業する才女だ。
今の時代やったら、間違いなくカリスマ主婦やな。
ミス・マープルから絶大な信頼を置かれるくらい、殺人事件に対してもものおじしない。
そのうえ美人でモテモテなのだ。
そんなスーパー家政婦の活躍するミステリー、早速みていこか!
Contents
アガサクリスティ(ミス・マープル)「パディントン発4時50分」あらすじ

ミス・マープルの友人、エルスぺス・マギリカディは、クリスマスの買い物を終えて、パディントン発4時50分の列車に乗り込んだ。
ホッと一息ついたところで、窓を見ると、対向車線の列車で、女の首を絞めている男の姿が!
慌てたミセス・マギリカディ。
すぐに車掌に報告するも、取り合ってもらえない。
おまけにその列車のどこからも、死体が見当たらないうえ、新聞記事にもなっていないのだ。
困り果てたミセス・マギリカディは、マープルに相談、任せることになった。
マープルがいろいろ調べた結果、死体が見つからないのは、犯人が窓の外から落とし、とある豪邸の敷地に入っているからだと推理。
その豪邸は「クラッケンソープ家」。
広い敷地を持つ、由緒正しい家系を持つ大金持ちだ。
早速そこに乗り込むことにしたミス・マープルだが、彼女は年で体が動かない。
そこでスーパー家政婦のルーシーに、自分の代わりに屋敷に入り込み、死体を探してもらうことを依頼。
ルーシーは死体を見つけることができるのか?
そして起こった第2、第3の殺人事件・・・。
闇を抱えたクラッケンソープ家と、その中ではつらつと活躍する魅力たっぷりのルーシーが見もの!
アガサクリスティ(ミス・マープル)「パディントン発4時50分」 感想

「パディントン発4時50分」の見どころは、ミステリーの謎解きももちろんある。
だが、見どころNO1は、スーパー家政婦・ルーシーの活躍だ。
抜群の行動力だけでなく、若い女性らしい一面も存分に見せてくれる。
女性を描くのが上手いクリスティだが、今回もその手腕を、いかんなく発揮してくれている。
見どころを紹介しよか!
「パディントン発4時50分」見どころ1 ルーシー大活躍

クリスティのミステリーらしく、「パディントン発4時50分」でも、莫大なお金を持った闇深い家庭が舞台だ。
「ポアロのクリスマス」詳しくはこちらから
「死との約束」詳しくはこちらから
「葬儀を終えて」詳しくはこちらから
閑話休題
屋敷の敷地内に、あるであろう死体を見つけてほしい・・・というのが、マープルからルーシーに課せられた依頼だった。
実はその死体、割と早い段階で見つかる。
なのでルーシーは、こんな怖い仕事、さっさとやめても良かったのだが、そこは好奇心旺盛な才女。
クラッケンソープ家の闇の謎を解きたい・殺人事件解決を見届けたいと、家政婦として残ることを選ぶ。
そこからがこの「パディントン発4時50分」の魅力の始まりと言っても過言ではない。
なんせルーシーは、クラッケンソープ家の男たちほぼ全員から、求婚されまくるのだ。
クラッケンソープ家の闇、殺人事件の犯人解明と同時に、ルーシーはクラッケンソープ家の男の誰かを選ぶのか?
女性なら、誰でもワクワクする設定だろう。
実は「パディントン発4時50分」のトリックそのものや、犯人の殺害動機は、割とありきたり。
だがそれを補って余りあるのが、ルーシーの存在やで!
「パディントン発4時50分」見どころ2 ルーシーの料理がおいしそう

ルーシーはスーパー家政婦らしく、料理はすべて手作りだ。
そしてルーシーの料理も、この作品を大いに盛り上げてくれる。
ちょっと見てみよう!
スパニッシュオムレツ
クラッケンソープ家・頭首から、こう攻められた時に、スパニッシュオムレツにしますと如才なく切り返すルーシー。
残り物をうまく生かすのも、料理上手な人がやるよな!
ローストビーフ

言わずとしれたイギリス料理。
ルーシーが作ったこのローストビーフ、クラッケンソープ家の少年たちが、グレービーソースをたっぷりかけて、パクパクと食べている(いいなあ・・・)
糖蜜タルト
ハリーポッターでもおなじみのタルト。
糖蜜とは、白砂糖を精製する時にできる副産物で、茶色~黒色のシロップのことを言うそうやで。
それをパン粉で固めてパイに詰める・・・みたいな感じ?
ちょっと甘そうやな。
ヨークシャープディング
日本では、全くなじみのない食べものやないかな?
プディングとはいうものの、プリンとは全く違う。
ローストビーフに添える、シュークリームの皮っぽいもので、グレービーソースをかけて食べるそうな。
これもルーシー、手作りしてましたな。
ピーチ・フラン
桃のタルト。
この時代を考えると、冷菓やなくて、焼いたタルトやろな。
ちなみにルーシーはこのタルトも、ちゃんとパイ生地から手作りしてる。
シラバブ
これまた、日本人には全くなじみのない食べ物じゃなかろうか?
生クリームをベースに酸味を加えた、ムースみたいな食べ物やな!
カレーのデザートにしてたんやけど、辛いカレーの後のデザートとして、まさにベストチョイス。
なじみのない料理もあったけど、全部食べてみたくなるよな!
アガサクリスティ(ミス・マープル)「パディントン発4時50分」まとめ
ネコ缶評価
トリックや、犯人の動機なんかは、わりとありきたりと述べた。
だが、犯人が全くノーマークの存在やったわ~。いや~してやられた!
これからパディントン発4時50分を読む人は、ルーシー(と、料理)の魅力に気をとられんように、しっかり謎解きもしてな!
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