人生を変える本ってあるよな。
ネコ缶がミステリー好きになったきっかけは、やっぱり1冊の本との出会いや。
それはこれ
そして誰もいなくなった
これ読んだのは、ネコ缶が13歳のころや。
読みながらものすごくハラハラしたこと、結末にボー然としたこと、そして最後の謎解きで、とてつもない衝撃を受けた事・・・・。
そこからやな~、ネコ缶のミステリー好きが始まったのは。
そんなネコ缶の人生に大打撃を与えた本、「そして誰もいなくなった」いってみよか!
Contents
アガサクリスティ 「そして誰もいなくなった」 あらすじ

年齢・性別・職業もすべてバラバラな10人が、それぞれ違う理由で「兵隊島」に来るように手紙をもらう。
いぶかりながらも、言われた通りに兵隊島に来た10人。
だがおかしなことに、自分たちを招待してくれた人物の存在はなく、そこで見つけたのはマザーグースの歌と兵隊の人形。
そして屋敷の執事が、みんなが揃ったらかけるよう言われたレコードから、なぜか、10人が犯した犯罪が声高らかに響き渡る・・・。
動揺する10人。
何かがおかしい!そう思ったとき、10人のうちの1人が不審な死を遂げる。
それはマザーグースの歌になぞらえて、次々に起こる殺人事件の始まりだった!
アガサクリスティ「そして誰もいなくなった」 感想

「そして誰もいなくなった」が、今を時めく作家さんに、いかに衝撃を与えていたかは、これをみるとよくわかる。
「こうして誰もいなくなった」
「そして誰も死ななかった」
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こちらの作品も、タイトルには含ませていないが、「そして誰もいなくなった」のオマージュだ。
「十角館の殺人」

登場人物が10人(男女構成も男8:女2で同じ)という人数、無人島への招待、連続殺人、ラストのありかた・・・・。
すべてが「そして誰もいなくなった」を下地にしている。
ミステリー界で「一定の人数がどこかに集められて、閉じ込めれられ(外部との連絡手段を絶たれ)そこで殺人事件が起こっている」というのは、クローズドサークルと言う。
でもって「そして誰もいなくなった」は、クローズドサークルの最高傑作との誉れも高い。
そんな映画界で言う「7人の侍」のような存在、それがミステリー界の「そして誰もいなくなった」なんだろうと思う。
でも何がそんなに面白いのか?
細かくみていこう
そして誰もいなくなった面白ポイント1 100年たっても変わらない面白さ

「そして誰もいなくなった」は、ミステリー&謎解きだが、パニックものの要素もかなり強い。
例えば今、スマホも電話もつながらない無人島に、10人くらいが集められて、連続殺人事件が起こったとする。
おそらく「そして誰もいなくなった」と同じような、恐怖やパニックが起こるだろう。
この恐怖は、おそらく100年前も今も、そして100年後も同じだ。
永遠に変わらない、人間の本質をものすごく突いている。
だから「そして誰もいなくなった」は、永遠に面白いのだ。
そして誰もいなくなった面白ポイント2 マザーグースの歌を使っている

○○に見立てて殺人を行う・・・これをミステリー用語で「見立て殺人」という。
見立て殺人は、登場人物を「一体何のためにこんなバカげたことを」と不安と恐怖に陥れるし、読者をワクワクさせるものだ。
「そして誰もいなくなった」は、マザーグースの歌という至って無邪気な歌と、人形を見立材料に使っている。
だが無邪気な歌である分、余計に怖い。
登場人物みんなが「犯人は狂ってる」と不安になり、まともに見える人物が、本当は狂人なのかという不安もつのる。
おそらく「そして誰もいなくなった」が、普通の連続殺人事件だったら、ここまで面白くも有名にもならなかっただろう。
そして誰もいなくなった面白ポイント3 人物設定が見事

「そして誰もいなくなった」は、集められた10人のキャラ設定が、これまた見事だ。
判事に警察官、家庭教師に執事、医者・・・・などなど誰一人として同じ職業の人がいない。
年齢や気質も違うし、身分的なものも違う。
必然的に事件への対応や、考え方も違っている。
ある人は悟りを開いたようになり、ある人は自分だけはうまくやれると思い、ある人はこんな時でも支配的だ。
そして「追い込まれたときにこそ、その人間の本質が出る」これも100年たっても変わらない真実。
「そして誰もいなくなった」は、トリックが見事というよりは(もちろん見事だが)犯人が解ってから読んでも十分に面白いのだ。
それはやはり、このあたりの人間の心理・真実を、完璧に描いているからなのだ。
アガサクリスティ「そして誰もいなくなった」 まとめ
ネコ缶評価
「そして誰もいなくなった」は、文句なしに満点。
悪いところが見当たらないのだ。
まあでも、こんなものはネコ缶だけやろうしな。
すべてが終わった後、ポアロなんぞを兵隊島に派遣して、謎解きをしてもらいたいな・・・。
と、ミステリーマニアはついつい考えてしまうのだ。
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