青柳碧人

青柳碧人「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」あらすじ、感想、ネタバレ

深刻で本格的なミステリーもいいが、ユーモアミステリーもホッとする。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
ネコ缶は昔から結構読んでるで!

そんなユーモアミステリーに新しい境地を開いてくれたのがこちら

なんと昔話とミステリーを融合させたものなのだ。

そして今回ご紹介するのは、その第3段のこちら。

「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
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今回は前2作と少し趣向が変わっている。

さてどんな仕上がりになっているのか?
詳しくみていこう

青柳碧人「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」 あらすじ、感想

「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」は、この4作からなる。

  • ガラスの靴の共犯者
  • 甘い密室の崩壊
  • 眠れる森の秘密たち
  • 少女よ、野望のマッチを灯せ

今回は前2作と違い、海外バージョンだ。

登場人物の名前もドイツ人っぽいものが多く、舞台はヨーロッパを思わせる。

そして何より前2作と違うところはここ。

4作全てで、あかずきんちゃんが探偵をやっている。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
そしてコナンよろしく、キメゼリフも毎度用意。
赤ずきん探偵は本当にいたのでは?と思わせるくらいだ

詳しく内容をみていこう

ガラスの靴の共犯者 あらすじ・感想

赤ずきんはおばあさんの所に行く途中、シンデレラに会い、一緒に魔法をかけられて舞踏会に行くことになった。

ドレスアップをし、ガラスの靴をはいて馬車の中ではしゃぐ2人。

だがその時、馬車にガクンと衝撃が走る。

なんと、舞踏会に行く途中に、人をひいて死なせてしまったというのだ!

慌てる赤ずきんに対し、なぜかやたらと冷静なシンデレラ。

死体を隠し、ヒヤヒヤしながらも舞踏会に行き何事もなかったかのように踊る2人。

このまま逃げ切れるかと思ったところ・・・・

会場に王様の無情な声が響く。

 
 
舞踏会は中止だ!
先ほど森の中で死体が見つかった!

今から参加者の馬車を調べる! 

真っ青になる2人・・・。

このまま2人は逃げ切れるのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
設定がグッド。

シンデレラと赤ずきんが一緒に舞踏会に行くだけでもスゴイ。
王子様の取り合いかと思いきや、2人してひき逃げ容疑者なんて想像もつかない展開だ。

ただ少々後半がバタバタしたのが惜しい。

お姉さんを、前半にもっと登場させた方がよかったかも。

甘い密室の崩壊 あらすじ・感想

魔女を倒したヘンゼルとグレーテル。

このついでに、意地悪な継母もやっつけようと画策する。

帰宅後、お菓子の家に金貨があると継母を呼び出す。

そして2人のしかけた罠にはまり、食器棚の下敷きになり圧死・・・・。

意気揚々と帰宅した2人だが、その日の夜におかしなお客が来る

 
 
赤ずきんと申します。
一晩泊めてもらえませんか 

家族のぎこちなさが気になりつつも、そのまま一緒に夕食を摂り泊まることになった赤ずきん。

いつまでも帰ってこない義母を心配し、皆で一緒に探しに行くことになったが・・・・。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
お菓子の家ならではの密室トリックが見事。

普通の建物だとこのトリックは絶対に使えないところがヨシ。

ヘンゼルとグレーテルの関係は、今でもカップルでありそうな気持の悪さと哀れさがある(涙)

「眠れる森の秘密たち あらすじ・感想

森の中で機械仕掛けの車いすに乗ったお祖父さんを助けたお礼に、家に泊めてもらえることになった赤ずきん。

このお祖父さんは、この王国の宰相・キッセン。

ごちそうを食べて眠りについた赤ずきんだったが、なんと広場で火事と殺人事件が起こる。

おまけにこの国で40年前から眠り続けているという、オーロラ姫までもが行方不明になった!

放火犯は誰なのか?
それよりもずっと寝ているオーロラ姫は、どうやって塔を抜け出したのか?

そしてキッセンと、その家族たちにも秘密が隠されていて・・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
眠っているオーロラ姫がいなくなった・・・というのが主流の謎(多分)。
でもこのトリック成立のために、かなりの不随事項が発生している。

そのため、話がかなりややこしくなってしまったのが残念

少女よ、野望のマッチを灯せ あらすじ・感想

親戚のガルヘンが経営するマッチ工場の隅で、寝起きさせてもらっている貧しい少女エレン。

エレン 
エレン 
一生こんな虐げられた生活をするは嫌だ、お金が欲しい‼

お金!お金!お金よ‼

・・・と思ったエレンは、とんでもない行動に出る。

なんとマッチ工場の社長の家を放火したのだ!

哀れ、ガルヘン社長は焼死。

ガルヘンには子供がおらず、遠い親戚のエレンが全財産を相続することになる。

一気にお金持ちになったエレン。

その資金を元に、粗悪だったガルヘンのマッチを改良し、もっとお金を手に入れる。

そしてどんどんマッチの販路を広げ、富を拡大していくエレン。

ライバル社に負けまいと、その時にマッチにとある秘策を加える・・・・

そんな中、赤ずきんがエレンに面会を申し出る。

赤ずきんが旅をしていたのはエレンに会うためだというが、その目的は・・・・?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
一応密室のトリックはあるが、あくまでおまけ。

メインは、エレンがのし上がっていき、そして破滅していく事。
そしてマッチ依存症のようになる人間の弱さ。

このプロセスやラストは、今でも本当によくあることなので、なんとも切ない。

赤ずきんが旅をしていた理由にびっくりするが、それなりの伏線は「甘い密室の誘惑」にもあるのがお見事

「青柳碧人「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」あらすじ、感想、ネタバレ  まとめ

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
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ネコ缶評価

いつものようにトリック+昔話(海外場バージョン)の流れで、とても読みやすい。

最近イギリスの重めミステリーばかり読んでいた、ネコ缶の清涼剤となってくれたのは間違いない。

ただ少々詰め込みすぎな話もある。

60ページくらいのところに、やたらと登場人物がいたり、無理な設定もある。

とはいえ最終章のエレンの破滅パターンや、ヘンゼルとグレーテルのおぞましい関係は、現在も通用するところがあり圧巻。

2023年2月の段階で、4作目も出ている。

ネコ缶さとこ
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タイトル的に、赤ずきんがまた探偵をやるようやな⇓
赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う
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絶対読むで!

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