前回、ガリレオ先生のデビュー作を書いた。
今回ご紹介するのは、探偵ガリレオシリーズ第2段のこちらだ。
「予知夢」
それもそのはず。
前回は「まずは科学ありき」・・・なところが少々鼻についた点もあるが、今回はその科学偏重がかなり緩和されているのだ。
早速詳しくみていこう
Contents
東野圭吾(探偵ガリレオシリーズ)「予知夢」 あらすじ&感想
「予知夢」は短編だ。
この5作からなる
- 夢想る(ゆめみる)
- 霊視る(みえる)
- 騒霊ぐ(さわぐ)
- 絞殺る(しめる)
- 予知る(しる)
前回の「探偵ガリレオ」に比べると、「予知夢」は科学ではなく、こっちよりだ。
「オカルト」
予知夢に幽霊、ポルタ―ガイストなんかが犯罪で出てくるのだ。
1つづつ詳しくみていこう
「予知夢」 夢想る(ゆめみる)あらすじ&感想
森崎礼美という少女の家に、男が押し入った。
幸い、すんでのところで母親が気づき、猟銃をぶっ放したので男は逃げ、礼美も危害を加えられることはなかった。
その男の名前は坂木。
坂木は10歳くらいの頃から、なぜか「モリサキレイミ」という少女と結ばれると、なぜか信じ込んでいて・・・。
だが少々ホラーチック(ストーカーまがい)な話になってる。
真実はかなり意外な結果になるが、坂木が少々気の毒な感じもする。
「予知夢」 霊視る(みえる)あらすじ&感想
長井清美はお客の小杉に言い寄られていた。
清美は小杉の友人・細谷と付き合っていたし、全く好みでもなかったので清美は小杉を冷たくあしらう。
ところがある日、逆上した小杉に清美は殺されてしまう!
しかし清美が殺されたと思われる時間に、細谷は清美の姿を見ていた・・・。
細谷が見たのは清美の幽霊なのか?
犯人の立てた計画は結構ずさんで、ネコ缶でもこれはスグばれるやろう・・・と思う。
でもそのずさんな計画が、思わぬ方向に転がりだして・・というところがナイス。
「予知夢」 騒霊ぐ(さわぐ)あらすじ&感想
こう草薙に相談してきた女性がいた。
彼女の名前は神崎弥生。
弥生はこうも言った。
弥生の夫は親切な男で、仕事のついでに恒例の高野さんの所によく立ち寄っていたそうだ。
その高野さんは、ついこの前亡くなったという。
ところがその高野さんの甥と名乗る男が、高野さんの死と前後して、家に友人と住み込み始めていた。
だがその4人はなぜか、毎日決まった時間に外出していて・・・。
今の日本でも起こりうる背景と、偶然がいくつも重なった末のポルターガイスト現象・・・という所がミソ。
このトリックは、湯川センセイでないと解決できないかも。
結末は良い感じ。
「予知夢」 絞殺る(しめる)あらすじ&感想
小さな町工場の社長・矢島忠昭はこう言った。
だが夕方出かけた忠明は、そのまま帰ってこず、次の日、ホテルブリッジで絞殺死体となって見つかる。
お金を返すと言ってきた誰かに、殺されたのだろうか?
ホテルの部屋には缶コーヒーや、吸い殻もあったのでその線で捜査は進む。
だが部屋のカーペットにはなぜか不自然な焼け焦げがあり、忠昭の首にも絞殺死体なのに焼け焦げがあとがあった・・・。
これは何を物語るのか?
ただそうでない場合、どうやって?という疑問が出る。
ラストの湯川センセイの言葉は、ダークだが納得は出来る。
「予知夢」 予知る(しる)あらすじ&感想
菅原直樹は追い込まれていた。
愛人の富由子が、直樹のマンションの向かいに引っ越してきたのだ。
そのうえ、ヒステリックにこんな電話をかけてきた。
今すぐにこの電話を奥さんに渡して!
でないと今すぐ自殺するわ!
向井のマンションを見ると、ベランダのパイプハンガーに紐をつるして、富由子の首につないである。
直樹が止めるのも聞かず、富由子はそのまま飛び降りた・・・。
不倫の苦しさから自殺・・・と思われたが、直樹の隣に住む少女がこんな事を言った
これは一体どういうことなのか・・・?
東野圭吾さんが「生産技術部」というところで働いていたという、バックホーンがあったからこその話。
終わりかと思いきや、ラストでもう一度「エッ・・・?」と落としてくれるところがナイス。
東野圭吾(探偵ガリレオシリーズ)「予知夢」まとめ
ネコ缶評価
短編だが「探偵ガリレオ」の「離脱る(ぬける)」からのつながりを感じさせる描写も多々あり、マニアを喜ばせてくれる。
⇒「離脱る」詳しくはこちら
オカルトによった分、感情の描写なども増え、よりリアルな犯罪を感じることも出来た。
そこに湯川センセイの科学を足してくれて、良い感じに仕上がっている。
・ガリレオシリーズがもっと読みたい!方はこちら⇒天才物理学者・湯川の「ガリレオシリーズ」はこちら
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