ストーリーに幅を持たせるために、新しいキャラが途中で登場するのはよくあるパターン。
コナンでも、1巻から比べたら一体何人のキャラが誕生したか・・・
ガリレオシリーズでも、今回ご紹介する「ガリレオの苦悩」で、新しいキャラが誕生している。
どんなキャラが出てくるのだろうか?
詳しくみていこう
Contents
東野圭吾(ガリレオシリーズ)「ガリレオの苦悩」あらすじ&感想
「ガリレオの苦悩」は短編。
この5編からなる。
- 落下る(おちる)
- 操縦る(あやつる)
- 密室る(とじる)
- 指標す(さししめす)
- 攪乱す(みだす)
登場する新しいキャラは「内海薫」。
若い女性だ。
彼女は気丈で、クールな湯川にグイグイ食いつく。
そして「容疑者Xの献身」以来、捜査に腰が重くなった湯川を動かしてくれる重要なキャラだ。
内容を詳しくみていこう。
「ガリレオの苦悩」落下る(おちる)あらすじ&感想
とあるマンションから女性・江島千夏が転落した。
自殺かと思われたが、彼女には頭を殴られた跡があり他殺とみられた。
そんな時、千夏が死ぬ直前会っていたという家具のセールスマン・岡崎が名乗り出てきた。
岡崎はこう言った
9時から来る千夏の恋人を探す本部。
だが、岡崎が殺したのだと言い張る新参者の内海。
先輩方に追い込まれ、湯川に助けを求めた内海だったが・・・・。
内海薫が女性らしい勘を、大いに働かせてくれる。
考えられたトリックが少々「ピタゴラスイッチ」的やな
「ガリレオの苦悩」操縦る(あやつる)あらすじ&感想
何年かぶりにゼミ仲間と、恩師・友永幸正の家遊びに行った湯川。
楽しい時間を過ごしたが、その夜に事件が起こる。
恩師の息子・邦宏が住む離れで火事があり、邦宏が死んでしまったのだ。
放蕩息子で、どうしようもない人間だった邦宏。
彼のたばこの火の不始末ではないかと思われたが、いろいろ調べていくと、おかしなところが出てくる。
おまけに邦宏の体には、日本刀で刺されたような跡があり・・・
おそらく湯川でないと解けへんな。
トリックの説明にかなりページが必要だったので、この作品は他の作品の倍のボリューム。
短編ながら、どんでん返しもあり、涙もありの力作やで。
「ガリレオの苦悩」密室る(とじる)あらすじ&感想
大学の友人・藤村がペンションの経営を始めた。
招待された湯川は、藤村からこんな事を言われる。
泊り客が一人、突然部屋からいなくなったんだ。
でもその部屋は密室だったんだよ・・・。
その密室の謎を解いてもらいたいゆえに、湯川を招待したという。
しぶしぶ調査に乗り出した湯川。
だが藤村は、明らかに何かを隠しているようだった・・・。
密室・・・というには少々ゆるいが、1つのポイントが決め手になる。
ネコ缶でも知ってるものだったが、こんな犯罪に使えるのかとびっくり
「ガリレオの苦悩」指標す(さししめす)あらすじ&感想
1人の高齢女性が殺されて、金の地金が10キロも盗まれていた。
容疑者として挙がったのが、真瀬貴美子。
加入している個人年金の事で訪問しようと思ったが、番犬が怖くて引き返したという。
貴美子の娘の葉月は、母の無実を晴らそうと動くが、彼女が使う手段は「水晶のふりこ」。
つまりダウジングだった・・・。
ネコ缶も欲しなったなあ。
「ガリレオの苦悩」攪乱す(みだす)あらすじ&感想
湯川と警察の元に「悪魔の手」なる存在から手紙が届く。
湯川の事を、一方的に強く恨んでいる様子の「悪魔の手」。
いたずらかと思われたが、その後も脅迫は続き、予言通りの事故が多発する。
湯川は「悪魔の手」の暴走を止められるのか?
犯人は、どうやって人に見られず事故を起こしているのか?
そして悪魔の手は、なぜ湯川をこんなにも恨んでいるのか・・・・?
「操縦る」に続き、湯川の「科学を殺人に使う事は許せない」という信念が、ここでも貫かれている。
犯人のあまりにも狭い視野は、今の無差別殺人にも十分共通しているように思う。
東野圭吾(ガリレオシリーズ)「ガリレオの苦悩」
ネコ缶評価
5編あったが、「操縦る」と「攪乱す」がかなりの力作。
注目すべきは、今回初めて、湯川の「科学を殺人に使う事は許さない」という正義感が発揮されている。
これは今後、湯川の立ち位置になっていくことを予感させるな!
「操縦る」と「攪乱す」、どちらも科学者ならではの見解と、犯人の境遇が丁寧に書かれていてナイスだった。
次回、薫にお株を奪われている草薙は挽回できるのか?
楽しみだ。
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