オーデイブルを使い始めて約3ヶ月。
オーディブルで「聞いた」本たちのレビューはこちら
家事をしながら本が読める上、古めの本なら図書館で順番待ちするより早い。
そんな訳で今日ご紹介するのは、オーディブル第3弾のこちらだ。
「キュレーターの殺人」
シリーズの最高傑作との声も高い「キュレーターの殺人」早速見ていこう。
Contents
M.Wクレイヴン 「キュレーターの殺人」 あらすじ
とある会社のクリスマスパーティ。
和やかな雰囲気の中、開けられたプレゼントの中から出てきたのは・・・
なんと切断された2本の指だった!
時を同じくして、教会の祭壇や、肉屋のショーケースからも切断された2本の指が発見される。
その発見された指は、全員が別人のもので、切断方法も違っていたうえ、指の持ち主も見つからない。
犯人の意図はいったいどこにあるのか・・・?
ようやく被害者の身元が分かって来た頃、被害者の家のそばに引っかかっていた凧をを見つけたポー。
そこから思いもかけず、事件が急展開していくが・・・・。
ポーとティリーのパートナーシップが今回も光る!
M.Wクレイヴン 「キュレーターの殺人」 感想
いつも通り、場面がどんどん広がり展開していく。
メンクリタイプのRPGみたいだ。
いったん犯人(らしき存在)も見つかり、腑に落ちないところもありながら一件落着する・・・・
と思いきや、事件はまだまだ続くところが今回の大きな流れだ。
今回の最大の山場は終盤。
いろいろな展開を経て「モンサンミッシェル」みたいな孤島に、捜査陣が移動するのだ。
見所を細かく紹介していこう
「キュレーターの殺人」見所1 描写がリアル(過ぎる)
今回も、ホラーを思わせるようなグロテスクな描写が多い。
シリーズ最初の「ストーンサークルの殺人」からそんな感じだったが、今回もその持ち味は健在だ。
「ストーンサークルの殺人」詳しくはこちら
登場人物の細かな感情描写よりも、とにかくリアルに状況を描写をしてくれる。
今回は容疑者として浮上した兄妹の行っていたことや、終盤で犯人(実行犯)がやっていたことは、好みが分かれるところだ。
もはやこのシリーズは、「ホラーミステリー」と分類しても良いかもしれない。
このシリーズはおそらく今後も続くのだろうが、この路線で行くのは確実だろう。
ホラーやグロテスクな描写が苦手な方は、「キュレーターの殺人」を少々覚悟して読んだ方がいいかもしれない。
「キュレーターの殺人」見所2 ポーとティリー、そしてフリンの絆
ポーとティリーの凸凹なパートナーシップは、今回もしっかり健在。
などなど、ティリーは口うるさくポーに注意するが、ポーの命令にはひたすら忠実だ。
そしてポーはそんなティリーをさりげなくかばいながら、事件解決に向かい全面的にティリーを信頼し仕事をまかせる。
この2人が、互いに全く恋愛感情なく信頼し合っている所に大きな魅力を感じる読者の方は多いだろう。
どちらかのピンチに、もう1人が獅子奮迅の活躍をするのがこのシリーズの目玉だが、今回はそこにフリンも加わる。
フリンは妊娠8ヶ月という身重の体で、いつも通り動けない。
その上ラストで「母子ともに」最大のピンチにさらされるのだ。
そこをポーとティリーが、一歩間違えたら死ぬという危険のなか、助けにいくという事になる。
「キュレーターの殺人」で、バディの信頼関係の一番の見せどころだ。
話は変わるが、今回はティリーがポーやフリン以外の人間ともうまくやっている描写が目立つ。
あのオドオドして、虐められていたテイリ―がなあ・・・。
おばちゃんは嬉しいで!
見所3 ポーの出生の秘密
このシリーズを最初から読んできた方なら、物語の底に見え隠れするこの存在を知っているだろう。
いろいろな事件が起こるのと同時に、こちらの謎も少しずつ解明されて行っている。
今回はアメリカから電話をくれた人物により、ポーの父親が例のパーティに参加した人物を調べていた・・・という事も判明。
少しずつだがこちらも進んでる。
M.Wクレイヴン 「キュレーターの殺人」 まとめ
ネコ缶まとめ
ポーやティリーなどの人物像は魅力的に描かれているが、構成的には少々不十分と感じるところも多い。
3つ事件が起こるのだが、3つ目のアマンダの事件にはほとんど触れていないのだ。
アメリカから極秘情報が電話でもたらされるのも、偶然&唐突過ぎる気もする。
でもいいのだ。
このシリーズのメインは「ポーとティリーの信頼関係を眺めること」なのだから
とりあえず優秀な上司ナイチンゲールのおかげで、横やりも入らずのびのび仕事が出来た2人。
2人の行方が気になるので、やっぱり次回作も読むネコ缶なのであった。
他にこのシリーズの本を読みたい方はこちら⇒良い味出してる「ポー&ティリー」シリーズはこちら!