アガサクリスティのポアロものは、やたらと映画やドラマになっている。
それだけポアロのキャラが立っていて、原作のクオリティが高いという事だろう。
今回ご紹介する「アクロイド殺し」も、ネコ缶大好きな三谷幸喜がドラマ化している。
なんと野村萬斎がポアロ役。
向井理を、ちょっと気の弱いチョイ役(ラルフ)にしてるところが凄い。
そんな、今をときめく監督から、ドラマの下地にされる「アクロイド殺し」とくとみていこう!
アガサクリスティ(ポアロ)「アクロイド殺し」あらすじ
大富豪・アクロイド氏が殺された。
彼が結婚しようと思っていた恋人、ファラーズ夫人が自殺してすぐのことだった。
アクロイドを殺すような人物など、さっぱり見当がつかないし、恋人の後追い自殺なのか?
そしてファラーズ夫人が、自殺の直前、遺書をアクロイドに充てて郵送していたのだが、その手紙もなぜか見つからない・・・。
謎が謎を呼ぶ中、厳しい一言で始まった、ポアロの本格的な捜査・推理。
容疑者全員がついている嘘、隠していることとはいったい何なのか?
事件が起こった時から、姿をくらましているアクロイドの甥、ラルフが本当に犯人なのか?
引退したはずの灰色の脳細胞がフル回転する。
アガサクリスティ(ポアロ)「アクロイド殺し」 感想
最後に「あっ」と言わせてくれるところ、容疑者を全員集めての謎解きのわくわくは、さすがアガサクリスティ。さすがポアロ。
「アクロイド殺し」は、ポアロが引退してからの設定になっているが、どうしてどうして、十分現役さながらの活躍っぷりだ。
アクロイド殺しの設定を見ていこう。
まずアクロイド殺しで大事なのは「事件発生時の時間軸」だ。
ここをしっかり押さえずして、犯人は絶対に解らない
事件当日・アクロイド家での夕食に、シェパード医師(この人目線で話は進む)がよばれる。
そして食事のあと、アクロイド氏とシェパードが書斎で話をする。
事件発生までの時間軸
8:40 ファラーズ夫人からの手紙到着
8:50 シェパード医師、アクロイドの書斎から出る
9:00 シェパード医師、屋敷の外に出る
(若い男と出会う。その男はアクロイドの屋敷の場所を聞く)
9:10 シェパード医師、自宅に着く
9:30 アクロイド氏、だれかと書斎で話す声がするのを、何人か聞いている
9:45 アクロイド氏の姪、フロラがアクロイドに、おやすみの挨拶にいく
10:15 シェパード医師のところにアクロイドが殺されているという電話が入る
(この電話は、だれがかけたかわからない)
・・・という1時間半くらいの時間軸なのだが、この90分だけを見ていると、アクロイド氏が殺されたのは、9:45~10:15になる。
でも容疑者の供述をもとに、真面目に考えていくと、どうしてもつじつまが合わない。
ネコ缶もうーんとうなってしまっていた。
だが全員がついていた嘘を集めた中に、大きな突破口がある。
そして、捜査の基準に考えていたこの時間軸が、そこで根こそぎひっくり返ってしまうのが「アクロイド殺し」の一番の見どころだ。
容疑者一人ずつ自分が、ついていた嘘を正直に告白していき、謎が少しずつ解けていくところは本当にワクワクする。
アガサクリスティ(ポアロ)「アクロイド殺し」まとめ
ネコ缶評価
高評価だがマイナス点も若干ある。
- キャロライン(シェパード医師の姉)がしゃべりすぎ。
(アガサクリスティのミステリーにはこの手の女性は本当によく出てくる)
- ポアロが犯人に自殺を勧めてしまう
若干のマイナス点はあるとはいえ、伏線の張り巡らせ方や設定はさすがの一言。
ヘイスティイングス代わりの助手も、ちゃっかり見つけて今回もポアロは元気一杯捜査をしてくれるで!
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