以前「シタフォードの秘密」を読んだ時、こんな感想を書いた。
多いだけでなく、その登場人物が複雑に絡み合っているのだ。
そして今回ご紹介する「殺人は容易だ」を読んで、すぐに気づいたのがこれ。
でまた、今回は「シタフォードの秘密」以上に、とんでもなく複雑に絡み合っているのだ。
「シタフォードの秘密」以上やったで!
小さな村ならではの、濃密な人間関係の中で起こる事件。
噂好きな「老嬢」に、落ちぶれた元貴族、一発当てた成金に、怠け者のメイド・・・・・
もおクリスティの得意技が炸裂しまくってる。
どんなお話なのか?詳しくみていこう
アガサクリスティ「殺人は容易だ」あらすじ
元警察官・ルークは、列車でロンドンへ帰る途中、隣の老婦人・ピンカートンから奇妙な話を聞いた。
しかも何度も!
だから私は、ロンドンの警視庁へ行って、報告しようと思っているんです。
ぎょっとするルークに、ピンカートン夫人は続ける。
昨日はドクター・ハンブルビーがにらまれたんですよ。
だから彼を助けないとと思って・・・
ルークはあまり相手にせず、ピンカートン夫人と別れた。
だがなんとこの老婦人は、次の日交通事故で死んでしまう・・・。
ショックの冷めやらぬ1週間後、ルークは新聞でこの記事を見た
医学博士ドクター・ハンブルビー、自宅で死亡。
いてもたってもいられなくなったルーク。
ピンカートン夫人話したことが真実か、確かめにウィッチウッドへ行ってみると・・・・。
なんとそこでは、この1年間に5人もの人間が事故死・病死をしていたのだ!
小さい村ながらの、濃厚で複雑な人間の感情。
いがみ合うことはあっても、穏やかに暮らしている村人・・・。
ピンカートン夫人の言っていたことは真実だったのか?
ルークは真実にたどりつけるのだろうか?
アガサクリスティ「殺人は容易だ」 感想
日本でも小さな村は、とかく人間関係が濃厚になりがち。
とはいえ、1年間で5人の事故死・病死は出ないだろう。
ところがそんな怖いことがあっさり起こってしまう。
それが「殺人は容易だ」の基本ストーリー。
5人の死因は事故死か病死なのだが、それぞれ怪しいところも相当多い。
ちょっと整理しておいた方が、内容を理解しやすいので書いておこう。
「殺人は容易だ」それぞれの事件のポイント
それぞれの事故(事件)を詳しくみていこう。
で、ピンカートン夫人は、何かに気づいて殺されたのかもしれない・・・ってところや。
死んだ5人の共通点は、みんなトラブルメーカーで、しかも特定の誰かに嫌われてもいる。
でも、5人全員を殺すような、強い動機を持つ特定の人物は見当たらない・・・。
・・・って考えてしまうところが「殺人は容易だ」の一番面白いところやな!
ラスト近くになったら、なんと死体がもう1つ増える。
これはみなさんでまとめてみよう!
アガサクリスティ「殺人は容易だ」まとめ
ネコ缶評価
良かったんやけど、ちょっと殺害手段が甘い気がした。
トリック好きのネコ缶、そこでちょっとマイナス。
ノンシリーズお約束の恋愛も、今回は無くても良かったかな・・。
とはいえ、小さな村のいざこざという設定や、ラストのダブル落ちがナイス。
「ひらいたトランプ」はトリプル落ちがあったで!
マープルのセントメアリーミードを思わせる、複雑な人間関係ものが好きな人には、超おススメの作品。
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