ネコ缶は20代半ばまで実家に住んでた。
そこの家には5メーターはありそうな長ーい廊下があって、よせばいいのに廊下のつきあたりに姿見が置いてあったんや(ホンマ、何で?)
そんな「家なのに、そこはかとなく恐怖を感じさせる」場所・廊下。
今回はご紹介するのは、廊下極端に長いうえ、事件の現場になったという「長い廊下がある家」だ。

作家シリーズの11作目(国名シリーズは除く)いってみよ!
Contents
「長い廊下がある家」 あらすじと感想

「長い廊下がある家」は、この話からなる
- ★長い廊下がある家
- 雪と金婚式
- ★★天空の眼
- ロジカル・デスゲーム
★はネコ缶の好きな話
この中で唯一、「天空の眼」には火村が出てこない。
詳しく内容をみていこう
「長い廊下がある家」 あらすじと感想

学生・日比野浩光は、限界集落のフィールドワークのために、京都・綾部市の山奥に来た。
だがそこで道に迷ってしまい、フラフラと歩くうちに1軒の家にたどり着く。
空き家かと思われた家からは話声。
彼らは、この家に出る、レディという幽霊の取材に来た記者たちだった。
食料をもらい、打ち解け、その取材に参加させてもらう事になった浩光。
だがそこで彼らは、殺人事件に出会う。
被害者は2つの家を結ぶ、長い地下廊下の真ん中で刺殺されていた・・・。
4人はずっと一緒にいたので、この中の誰かが犯人とは考えにくい。
とはいえ、外部の人間がわざわざ、ここで刺し殺すのも無謀な話だ。
犯人は、この家に出る幽霊・レディなのか?
だったら、いつ?だれが?どうしてわざわざこんな所で?
このシンプルなトリックがどうしても解けない。
ヒントは、飛び入りで取材に参加した浩光の存在をどう使うか。
ここが最初の一歩やで!
「雪と金婚式」 あらすじと感想

静かに雪が降りしきる中、穏やかに金婚式を迎えた雄二と安曇。
幸せな一日だった次の日、残酷にも、離れに住む義弟の弼(たすく)が他殺死体で見つかる。
彼は若い頃、詐欺まがいの仕事をしており、今でも恨みに思う人間は多い。
その中で浮かびあがった2人の容疑者。
だが、彼らのアリバイは崩せそうで崩せない。
謎を解くカギは、雪がやんだ時間と、雪の上に残された足跡しかない。
雄二は何かに気が付いたのだが、運悪くスーパーで転んでしまい、一時的な記憶喪失になってしまって・・・。
(実際に有栖川有栖さんも「スウェーデン館の謎」で使っていたし、ルパンシリーズでもあった)
殺人事件を扱った話だが、とてもハートウォーミングな内容。
ただ安曇が雄二を「ユーさん」と呼んでいたのが「昔のキャバレーかよ!」ってツッコミたくなった・・・。
「天空の眼」 あらすじと感想

「雲が人の顔に見える心霊写真を撮ってから、ツイてない事ばかりが起こる」
・・・としょんぼりしていた女子大生・広沢星子。
その場はなだめたアリスだが、この話は彼の頭に残る。
一方、山奥の空き家で、全くこの家に関係のない大学生が転落死するという事件が、全く解決を見せない。
2つの出来事に関係している「支倉」という大学生が浮かび上がるが、彼は転落事故の時はアメリカ旅行に行っており、鉄壁のアリバイがあった。
心霊写真と、転落事故死は何かつながりがあるのだろうか・・・
ラストは、なるほどとうなること請け合い。
心霊写真を、鑑定してもらおうと言った理由も腑に落ちる。
短いが非常によく練られた話、グッド!
「ロジカル・デスゲーム」 あらすじと感想

火村の講義を学生でもないのに熱心に聞きに来ている男がいた。
彼の名前は千舟。
その後彼は、火村にこんな内容の手紙を送る
13年前に北海道で起き、一家心中で処理された事件の新事実を父が知っています。
ぜひ聞きに来てください。
彼の誘いに乗り、家に駆け付けた火村。
だがそれは、千舟の仕掛けたデスゲームの始まりだった・・・。
(ちなみにネコ缶、全くできません)
ただそっち方面の知識が、皆目ないネコ缶でも
「この状況下で冷静な判断が出来る火村はすごい、カッコいい」と
素直に思えるな!
自分が、こんな状況に置かれた時は真似しよう・・・って、絶対ないな!
有栖川有栖(作家アリスシリーズ)「長い廊下がある家」まとめ

ネコ缶評価
いつもながら安定した仕上がり。
個人的には「天空の眼」が、気にいった。
ネコ缶の好きな「本格推理」という感じがしたな!