アガサクリスティ

アガサクリスティ(短編)「マン島の黄金」あらすじ、感想、ネタバレまとめ

ネコ缶はミステリーが大好きだ。

リアル謎解きゲームも好きで、行けるイベントも行ってみたことがある。

ゲームもやってみた→「ミステリーマニアが送る、おススメ謎解き脱出ゲームはこちら!

そんなリアル謎解きゲームに、あのアガサクリスティも、シナリオ協力したことがあるんやで!

そのシナリオが入っているのが今回ご紹介するこちらの短編だ

「マン島の黄金」

マン島の黄金
created by Rinker

新聞に5回小説が連載され、マン島の観光を盛り上げたっていうから、その時代・その土地に生きていたら行ってみたかったなあ!

ではみていこう、短編集の最終回「マン島の黄金」!

アガサクリスティ「マン島の黄金」あらすじ&感想

「マン島の黄金」はこの話から出来ている。

  • ★夢の家
  • ★名演技
  • ★崖っぷち
  • クリスマスの冒険(ポアロ)
  • 孤独な神様
  • マン島の黄金
  • 壁の中
  • バグダッド大櫃の謎(ポアロ)
  • ★光が消えぬかぎり
  • クィン氏のティー・セット(ハーリ・クィン)
  • ★白木蓮の花
  • 愛犬の死

★はネコ缶の好きな話

大半がノンシリーズやけど、ぽちぽちとポアロとクィンがある。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
でもポアロものは新しいものではなく、前にもあったものや、別作品の下書きのようなものやな

なーんだと思うかもしれない。

でも、ホラーやミステリー、ユーモアなど種類も多くて良いものが多いで!

早速みていこう

「マン島の黄金」夢の家

ジョン・セグレ―ヴは、奇妙な夢を見るようになった。

とても美しい白い家なのだが、その中は絶対に入れず、どうなっているのか解らないのだ。

そんなとき、勤め先の社長令嬢・メイジ―に気に入られ、夕食に招待される。

その席にいたメイジ―の友人・アレグラに、ジョンは一目ぼれをしてしまう。

するとその夢の家はますます美しくなったが、家の中には不気味なものが見えるようになり・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
クリスティ幻想物語バージョン。

「死の猟犬」の「ランプ」「翼の呼ぶ声」に似ているかもしれない。

何者かが、現実世界に生きる人間を死の世界に引っ張り込むという、ちょっと怖い設定。

メイジ―の、その後が気になる。

「死の猟犬」詳しくはこちら

「マン島の黄金」名演技

人気絶頂の女優・オルガは恐喝されていた。

昔・どうしようもなく貧しくて惨めだった頃、はずみで犯罪を犯してしまったことがあったのだ。

オルガは結婚も控えており、相手のためにもスキャンダルはどうしても避けたい。

追い詰められた彼女は、起死回生の名案を思い付く。

オルガの取った行動は?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
なかなかに痛快。

恐喝話はクリスティには時々出てくるが、恐喝者を叩きのめすのは、この話が初めてではなかろうか。

今でも通用しそうな手段やなあ~。

「マン島の黄金」 崖っぷち

クレア・ハリウェルは決して美人ではないが、気立てがよくさわやかで村の人気者だった。

そんな彼女には長年思いを寄せる幼馴染・ジェラルド・リーという男性がいた。

だが彼は、ヴィヴィアンという若い女性と結婚してしまう。

それでもクレアは、今まで通り、ジェラルドと接し、ヴィヴィアンとも仲良くなろうとする。

だがある時、クレアはヴィヴィアンの秘密を知ってしまい・・・・。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
昼メロ鉄板のような展開。

正義のクレア、悪のヴィヴィアンのはずが、ラストはもうどっちがどっちか解らなくなってくる。

1人の男に執着しちゃダメってことやな・・・

「マン島の黄金」クリスマスの冒険

ミス・エンディゴットのクリスマスパーティに招かれたポアロ。

若い人たちと一緒にクリスマスを楽しんでいた。

そんなときポアロの元にこんな手紙が来る

「絶対にプラムプディングを食べちゃいけません」

これは一体どういうことなのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「クリスマス・プディングの冒険」とほぼ同じ(ここから清書したのか?)

エピソードもほぼ同じなのだが、ちょっと説明不足な感がある。

この話に興味をもったら「クリスマス・プディングの冒険」を読んでみよな!

「クリスマス・プディングの冒険」詳しくはこちら

「マン島の黄金」孤独な神様

フランク・オリヴァ―は、40歳を過ぎたばかりの地味な男性。

古美術に興味を持ち、大英博物館をぶらぶら見物していたところ、小さな神様の像に目が留まる。

そしてその神様に愛着を感じ、足しげく大英博物館に通う事になったフランク。

そこで、1人の貧しそうな女性に出会い・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
クリスティの恋愛小説は濃いものが多いが、これはなかなかのハートウォーミングな話。

ひたすらセンチメンタルで甘口。

ラストもめでたしめでたしでホッ。

クリスティの恋愛ものが読みたい方はこちら

「マン島の黄金」マン島の黄金

フェネラとジュアンは、仲良しのいとこ。

彼らの伯父・マイルズが死亡し、手紙が届く。

そこには「遺産は4つの櫃の中に入れて、マン島に隠した」とあり、遺産探しにはライバルも2人いるという。

負けてなるかと、早速遺産探しにでかける2人。

フェネラとジュアンは、無事に遺産を見つけることができるのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
とても面白い設定。
(丁寧な解説がついているので、それを読むとこの話の面白さ倍増)

今ならさしずめ、東野圭吾あたりがリアル謎解き脱出ゲームの連載小説を、町おこしのために新聞にのせた・・・みたいなもんやろか。

ウラヤマシイと同時に、この仕事を低賃金で引き受けたクリスティの懐の深さに驚く。

「マン島の黄金」壁の中

アラン・エヴァラードは新進気鋭の画家。

社交界の華・イザベル・ローリングとも結婚し、順調な人生を送っていたように見えた。

だが彼には、何でも彼のいう事を聞いてくれる女性・ジェインがいた。

彼女に会うと妙に苛立つアラン。

だがジェインに見せたいと思って描く絵は、とても勢いのある良い絵になる。

イザベルはそれを知ってか、ジェインにお金の無心をし続けて・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
芸術家との恋愛とくると、クリスティの恋愛小説「愛の旋律」を思い出す。

ゾッとするラストだが、いろいろな解釈があろう。

それにしても、三角関係を書かせると、クリスティはなんでこんなにうまいのか。

「愛の旋律」詳しくはこちら

「マン島の黄金」バグダッド大櫃の謎

リッチ少佐の家で、小さなパーティが行われた。

和やかに終わった次の朝の事・・・。

パーティ会場にあった大櫃から、スコットランドへ行ったはずの、クレイトン氏の死体が発見された!

クレイトン氏は、スコットランドに行く前に、リッチ少佐のところに寄っていることが判明。

だがクレイトン氏は、いつ櫃の中に入ったのか?

リッチ少佐の妻とクレイトン氏は「親しい」という噂は、何か関係があるのだろうか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
この話は合計3回くらい、あちこちの短編集で出てくる
(「スペイン櫃の謎」という名前の時もあった)

よほどの気に入った作品だったのやろか?

「マン島の黄金」光が消えぬかぎり

ジョージ・クロ―ジャーは、戦争で夫を亡くしたディアドリと半ば強引に結婚。

ディアドリに贅沢な暮らしをさせて、悦に入ってた。

彼はディアドリを連れ、アフリカのたばこ農園に視察に行く。

そこでディアドリが出会ったのは、なんと死んだと聞かされていた、元夫の
ティムだった・・・。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
ここでも「愛の旋律」をホーフツとさせるエピソードがメインテーマに。

ディアドリの主体性のなさにイラつく人は多いかもだが、ティムと結婚しても幸せになれたか疑問やなあ・・・

「愛の旋律」詳しくはこちら

「マン島の黄金」クィン氏のティー・セット

サタースウェイトの車が故障してしまった。

修理をしている間、暇つぶしのために入った喫茶店の名前は「ハーリクィン・カフェ」。

そしてまたしても偶然、そこ喫茶店でハーリ・クィン氏に会う。

いろいろ話をした最後に、ハーリ・クィンはこう言う。

「赤緑色盲」

サタースウェイトがこれから向かおうとしている友人家族に、何か関係があるのだろうか・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「謎のクィン氏」の「鈴と道化服亭 奇問」の設定に似ている。

クィンものによくある幻想話ではなく、サタースウェイトの探偵もの。
もう少し短くてもいいのでは?

「謎のクィン氏」詳しくはこちら

「マン島の黄金」白木蓮の花

ヴィンセント・イーストンはリチャード・ダレルの妻、テオと駆け落ちをしようとしていた。

2人でホテルの部屋に落ち着くと、新聞を読んでいたテオがいきなりこう言う

「夫の会社が倒産しました。今すぐ夫の元に帰ります」

ヴィンセントの引き留めを振り切り、夫の元に帰るテオ。
だが夫は無情にもこう言う。

「ヴィンセントの元にあずけてある書類を、お前が行って取り返してほしい。」

帰宅が早かったので、テオの駆け落ちの事は知らない夫。

テオはどうするのか・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
クリスティ作品には珍しい、かなり一本気な女性。

古風すぎやしないかと思うが、最後はこの芯の強さを称賛したくなる。

しかしテオの夫、クズすぎやろ

「マン島の黄金」愛犬の死

ジョイス・ランバードは追い詰められていた。

夫のマイケルが戦死し、愛犬テリーと取り残されてしまったのだ。

貯えもなく食べるものもない。
働こうにも住み込みの仕事しかなく、愛犬を連れて行くことはできない。

困り果てたジョイスは生きていくために、大嫌いな男性・アーサーとの結婚を決める。

だがその直後に、テリーが事故で死んでしまい・・・。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
犬好きだったのか、クリスティの作品には犬が時々出てくる。
(「もの言えぬ証人」とかな)

「自分がいることでご主人様が困ってる」とペットが思ってしまい・・・というのはネコ缶も時々思ってしまう事がある。

アパート大屋の、おばさんのガサツさは苦笑い 

「もの言えぬ証人」詳しくはこちら

アガサクリスティ(短編)「マン島の黄金」 まとめ

マン島の黄金
created by Rinker

ネコ缶評価

他の短編でも見た話もあったが、全編中身の濃い話。

主要キャラは少ないが、安心しておススメ出来る短編集だ。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
早川書房の出しているクリスティ文庫では、全部やないけど1話ずつに丁寧な解説がついてて良いで!

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