作家アリスシリーズ

有栖川有栖(作家アリス)「妃は船を沈める」知性あふれるタイトルに脱帽

有栖川有栖氏は、学生アリスと作家アリスに分けて作品を書いている。

有栖川有栖・国名シリーズはこちら
有栖川有栖・学生アリスシリーズはこちら

以前ネコ缶は、国名シリーズを読破したが、それも作家アリスシリーズだ。

今回ご紹介するのは、国名を外した作家アリスシリーズのこちら。

「妃は船を沈める」

妃は船を沈める
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ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
正直、タイトルに惹かれた

意味深なタイトルだが、別に古代ヨーロッパの王室が舞台な訳ではない。
れっきとした21世紀の日本が舞台だ。

さて作家アリスシリーズ第8段(国名シリーズを除く)早速みていこう。

「妃は船を沈める」あらすじと感想

「妃は船を沈める」はこの内容からなっている。

第一部 「猿の左手」
幕間
第二部 「残酷な揺り篭」

※「幕間」は特に内容に関係はない、10ページのショートストーリー。
この「幕間」でタイトルの由来が解る。内容の説明は省いた

内容を読まれる前にちょっと一言。

本の「はしがき」でも書いてあるが、「妃は船を沈める」は「前編と後編に別れた話」と考えた方がいい。

話の主導権を握るメインキャラ・三松妃沙子は両方に出てくる。
(もちろん火村とアリスも)

そしてこの個性豊かなキャラ・妃沙子の「嗜癖」なしでは、両方の物語と事件は成立しないのだ。

「嗜癖」をどう思うかは、この際置いといて、早速内容をみていこう。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「妃沙子」をどう思うかで、この作品の評価は分かれるで

「妃は船を沈める」 猿の左手 あらすじ

海に車が落ち、溺死した男がいた。

死体の身元は、盆野和憲・健康器具の販売経営者。

彼は事業に失敗し、借金があったが妻のビジネスで、なんとかなっている状態だった。

とはいえ、自殺をしそうなそぶりは全くなく、保険金もかかっていたことから他殺の線も疑われた。

だが保険金の受取人の妻・古都美には完璧なアリバイもあり、捜査は難航。

その後、彼に金を貸していた人物のうちの1人に、三松妃沙子という女性が浮上する。

古都美の友人でもあり、投資と仕事で成功していた独身女性だ。

彼女には妙な嗜癖があった。

若い男を何人も「拾って」世話をし、侍らせるのだ。

そして彼女は、願いが叶うが、副作用も強いと言われる不気味なミイラ「猿の左手」を後生大事にしていた・・・。

「妃は船を沈める」 猿の左手 感想

妃沙子という女性の個性に圧倒される。

トリックはクリスティの「予告殺人」に近いだろうか。

予告殺人詳しくはこちら

犯人の動機に「狂気」が入るのが嫌いなネコ缶。

「猿の左手」にも若干それを感じる。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
でも、このキャラ設定では、それしかないような気もするよなあ。

そこが残念なのだが、トリックなどはよくできてる。

「妃は船を沈める」 残酷な揺り篭 あらすじ

関西で震度6の大きな地震があった。

知人の設楽夫妻を心配して、遠くから駆け付けた日比野はそこで仰天する。

知り合いの加藤が、設楽家の離れで銃殺されていたのだ!

そして設楽夫妻は、本宅で睡眠薬入りのワインで熟睡中・・・。

加藤に冷たくされ、ストーカーまがいの事をしていた元カノ・汐野という女性が容疑者として浮かぶ。

だが彼女は地震の時、地下室に3時間も閉じ込められており、殺人は難しい。

加藤に恨みを持つものの犯行であれば、なぜ都会の雑踏ではなく、わざわざここにいる時を狙ったのか?

設楽夫妻を眠らせる必要はなぜあったのか?

火村の推理が光る。

「妃は船を沈める」 残酷なゆりかご 感想

妃沙子が続いて登場する第2段。
2作目は「密室」の謎解きだ。

トリックは、1作目よりよく出来ている。

特に予測不可能な「地震」というアクシデントを、うまく使っていてナイス。

ミステリーを読み慣れた人は、途中で犯人の想像は付くだろう。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
読み慣れてなくてもつくかな

想像はつくのだが、犯人の動機と、どうやって密室にしたのかが最後まで解らない。

密室を地震の謎をどう解くか?
これが解ればトリックは解ける。

有栖川有栖(作家アリス)「妃は船を沈める」まとめ

妃は船を沈める
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ネコ缶評価

物語の途中で出てくる、ジェイコブズの「猿の手」エピソードは、ちょっとネコ缶には余分だった。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
この議論で、作品が生まれたのは解るけどな

星10ケでもいいのだが、犯人の動機に若干狂気が入るのも合わせてマイナス1

とはいえ内容はやっぱり面白くて、一気に読ませてくれること請け合いやで!

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