ミス・マープルと言えば、こんなイメージないか?
セント・メアリーミードで、ひっそりと園芸をしたり編み物をして暮らしてる、名探偵おばあさん・・・でしょ?
確かにそうだ。
ミス・マープルはそんな存在。
でも今回ご紹介する「カリブ海の秘密」では、なんと(文字通り)「カリブ海」に旅行に行くなどという、活動的なところをみせてくれるのだ。
マープルの甥・レイモンドからのプレゼント旅行。
おこづかいも持たせてもらって、暖かいカリブ海で、ゆっくりバカンス・・・といかないのが名探偵の宿命。
行く先々で事件に遭遇してしまうのだ。
マープルの宿泊先、ゴールデン・パーム・ホテルで、とある男性が変死をする。
しかもその死に方が、どうもすっきりしない・・・。
今回は、旅先という事もあり、いつものように心強い協力者がいない。
という訳で今回は、ミス・マープルが得意の会話力を駆使して、最初から最後まで捜査をするのだ!
さあその結果は?
詳しくみていこう!
Contents
アガサクリスティ(ミス・マープル)「カリブ海の秘密」 あらすじ
ミス・マープルは、カリブ海のゴールデン・パーム・ホテルで、パルグレイブ少佐の話を聞いていた。
とはいえ、パルグレイブ少佐の話は一方的で退屈な、自分の昔話ばかり。
うわの空で聞いていたマープルだったが、話題が「殺人」の話になった時、真剣に聞き出す。
そしてパルグレイブ少佐がこう言って、自分の鞄から得意げに写真を見せようとした。
その時、意気揚々としていた少佐の動きが急に止まった。
ミス・マープルの右肩ごしに何かを見たようなのだ。
青ざめたパルグレイブ少佐は、急に話題を変え、わざとらしく大きな声で話し出した。
妙だと思った次の日の朝、こんなことをオーナー夫人のモリーから聞く。
お年で血圧が高いみたいだったし・・・
仕方ないかも・・。
確かに少佐は血圧は高かったが、本当にそれが原因なのか?
そして何より、死ぬ直前見せたあの表情は何だったのか?
何かを・・・殺人犯を見たのではないか?
深い疑惑を感じるミス・マープル。
ここでは頼りになる人はいない。
今回の事件は自分の武器・・・会話を駆使して捜査をするしかないと決意し、動き出すマープル。
予想通り、パルグレイブ少佐は毒殺されたことが判明。
そして起こる第2、第3の殺人・・・。
犯人はここ、カリブ海のホテル内にいるのだろうか?
パルグレイブ少佐が見た人物は誰なのか?
ミス・マープルの会話力が光る!
アガサクリスティ(ミス・マープル)「カリブ海の秘密」 感想
この作品の2つ前「パディントン発4時50分」では、よる年波で体が動かないので、スーパー家政婦ルーシーに捜査を頼んでいた。
その時50歳としたら・・・いくつになっているのやら、マープル・・・。
でも、今回の「カリブ海の秘密」では、そんなことを感じさせないくらい、ミス・マープルはよく動いてる。
最初から最後までマープルが捜査し、ラストだけ若い男性の力を借りるが、基本的には会話力を駆使して良く動いてる。
見どころをみていこう!
「カリブ海の秘密」見どころ 登場人物が全員怪しい(怪し過ぎる)
読み終えた時解るが、「カリブ海の秘密」の殺人は動機もトリックも、とてもシンプルだ。
だが登場人物全員、妙に怪しいところがあって、混乱させてくれる。
紹介していこう。
いや、これだけ妙な人、脛に傷持つ人がいたら混乱するって・・。
救いは老大富豪ラフィール氏。
口は悪いが、明晰な頭脳で、マープルと議論をして謎解きに協力してくれる。
ちなみに「カリブ海の秘密」の謎を解くカギは、パルグレイブ少佐の最初の話に終結する。
怪しい人はたくさんいるが、ここから絶対にぶれないことだ。
アガサクリスティ(ミス・マープル)「カリブ海の秘密」 まとめ
ネコ缶評価
クリスティ作品は、この2つに大きく分けられる。
- 「(ゆるいのもあるが)クローズドサークルに、何人か集まったときに起こる殺人」
- 「一族の中での財産目当ての殺人」
「カリブ海の秘密」は前者。
内容は決して悪くはないが、同じようなジャンルの、「ナイルに死す」とか「白昼の悪魔」に比べると、ちょっと落ちるかな・・・。
怪しい人の怪しさが、今回の事件に関係ないことも多いのだ。
「ナイルに死す」詳しくはこちらから
「白昼の悪魔」詳しくはこちらから
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