雪深い山荘で起こる殺人事件・・・・。
このくだりはミステリーの定番だろう。
ネタにしやすいせいか、いろんな作家さんも取り上げてきた。
スウェーデン館の殺人とか
そんなミステリーの定番中の定番ともいえる「雪がらみの設定」を、クリスティ―が外す訳もない。
それが今回ご紹介するこちら「シタフォードの秘密」
雪深い山荘の殺人だけにとどまらず、そこに降霊会というこっくりさんめいた怪しい儀式も合わせたこの話。
複雑な人間関係も加わって、なかなかのミステリーに仕上がっている。
ではみていこう!
Contents
アガサクリスティ「シタフォードの秘密」あらすじ
雪に覆われたシタフォード山荘
冬は雪のせいで、極寒なだけでなく、下界と全く閉ざされてしまう寂しいところだ。
それなのに、シタフォード荘の持ち主・トリヴェリアンにわざわざこう言ってきたウィリット母子がいた。
不審に思いつつ、勢いとお金に負けて了承をしたトリヴェリアン。
そんなウィリット夫人は、大のパーティ好き。
今日も寒い中、ご近所さんを読んでお茶会をしていた。
お茶が終わり、何をして過ごそうかという時に、こんな提案をした人がいた。
※テーブルターニング 霊の力でテーブルを動かす降霊術
反対する人もなく、お茶会に集まった皆でテーブルを用意し、降霊術はスタート。
すると降りてきた霊は、こんなことを告げた。
「トリヴェリアンが死んでいる」
戸惑う皆。
トリヴェリアンの友人・バーナビーは、念のためと雪の中、トリヴェリアンの自宅を訪ねてみると・・・。
なんとトリヴェリアンは、本当に死んでいた。
しかも後ろから殴られて、殺されていたのだ!
しかも殺された時間は、降霊会の最中・・・。
霊は本当にいたのか?
トリヴェリアンの遺産を狙っていた、誰かの犯行なのか?
容疑者として捕まったトリヴェリアンの甥・ジェイムズは本当に犯人なのか?
ジェイムズの婚約者・エミリーが、未来の夫のために大活躍!
アガサクリスティ「シタフォードの秘密」 感想
「シタフォードの秘密」読んで、まず最初に思ったのがこれ
クリスティやし、しゃあないかなと思いながら読んでいくと、またこう思った。
どれくらい複雑なのかと言うと、これくらいだ。
複雑やのう!
いや、クアデルノ(富士通の電子ペーパー)があってよかったで、マジで。
そんな生い茂る雑草の中を、ザックザックと進んでいくような感じで読み進める「シタフォードの秘密」
謎が点々と出てくるので、ざっとご紹介しておこう
謎がいっぱい1 トリヴェリアンの家族&ご近所さんの謎
被害者のトリヴェリアン。謎が結構多い。
大金持ちな独身で、家族もない(女嫌い)。
妹は2人いて甥や姪もいるのだが、この親族たちが・・・・
結構(相当)怪しい
みんなお金に困っているが、それなりにアリバイもある。
それだけでなく、シタフォード荘のご近所さんも結構怪しい。
病気と言いつつ薬物中毒やないかとか、オバサマのお金を狙ってそうな甥とか、犯罪&鳥類学者とか・・・。
トリヴェリアンの友人・バーナビーも実は投資を失敗してるという事も解ってくる。
怪しい人だらけのシタフォード荘近辺。
じっくり表を作りながら読んでいこう。
謎がいっぱい2 ウィリット夫人の謎
この謎は、結構最後まで引っ張る。
雪深くて何もないところの山荘に、わざわざ行く感覚・・・。
真冬の北海道の山奥に、物見遊山で行くような感覚だろうか。
しかもその山荘に、ご近所さんを集めては、オシャレしてお茶会などをやっているというから妙だ。
一体何の目的で?
トリヴェリアンと、お近づきになりたかったのか?
この謎は、ラストで無事に回収されるが、意外な結果やで。
謎がいっぱい3 脱獄犯人はだれ?
物語の中盤で、プリンスタウンの牢獄で脱獄事件がある。
・・・と思うが、この脱獄は殺人事件の後。
これは事件にどう関係してくるのか?
第2・第3の殺人でもあるのか?
ハラハラしつつページをめくるが、脱獄に絡んだ事件は一向に起こらない。
じゃあこの伏線は何だ?と思いつつラストまでくると、ようやくそこで全く想像もつかなかった事実が判明する。
殺人犯の犯人よりも、こっちの方が意外過ぎたで!
謎がいっぱい4 エミリーは誰を選ぶのか?
「シタフォードの秘密」は、ジェイムズの婚約者・エミリーが、新聞記者のエンダビーと組んで、元気に捜査をして後半進んでいく。
例えばこれとかな!
また、クリスティ・ノンシリーズお約束の、恋愛もモチロンある。
魅力たっぷりの元気なエミリーが選ぶのは・・・
イケメンだけど草食な婚約者?
ガッツのある新聞記者エンダビー?
「満潮に乗って」も、ヒロインの決断に賛否両論出てくる話だが、今回のエミリーの決断もそうなるかもしれない。
エミリーはどっちを選ぶ?
その結果をどう思う?
これも犯人捜しと同じく楽しめると思う。
アガサクリスティ「シタフォードの秘密」 まとめ
ネコ缶評価
複雑な人間模様、登場人物の多さ、ちょっとしたオカルト、雪深い山荘、元気で若い女性探偵などなど
面白くなりそうな要素もテンコ盛りで、事実面白かったんやけど・・・・
最後がちょっと尻すぼみ。
伏線が回収しきれてないところもあるし、トリックもあっさりと簡単すぎる感があった。
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