アガサクリスティ

アガサクリスティ(短編)「パーカー・パイン登場」あらすじ、感想、ネタバレまとめ

何回も言ってるが、クリスティの短編には、短編専門のキャラが登場する。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
クィン氏とかな。

クィン氏ってだれ?という方はこちら⇒「謎のクィン氏」

今回ご紹介する作品も、短編専門のキャラ物だ。

「パーカー・パイン登場」

パーカー・パイン登場
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「幸せではない方はご連絡ください」という、怪しさ満開の広告を出すパーカー・パイン。

おずおずと事務所に来た紳士・淑女に彼は何を施すのか?

早速みていこう

「パーカー・パイン登場」 あらすじ&感想

「パーカー・パイン氏登場」はこの話からなる。

  • ★中年夫人の事件
  • 退屈している軍人の事件
  • 困り果てた夫人の事件
  • 不満な夫の事件
  • サラリーマンの事件
  • ★★大金持ちの夫人の事件
  • あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか?
  • バグダッドの門
  • シーラーズにある家
  • 高価な真珠
  • ナイル河の殺人
  • デルファイの信託

★はネコ缶の好きな話

クリスティマニアの方はよ~く知ってる「オリヴァ夫人」と、「ミス・レモン」がピンポイントで出る。

どこで出るのか、楽しみにしておこう。

では全部の話をみていこう!

「パーカー・パイン登場」 中年夫人の事件 あらすじ&感想

パキントン夫人は悩んでいた。

夫が若い女の子と浮気をしているようなのだ。

そんな苦しいある日、新聞でこんな広告を見た。

「あなたは幸せ?そうでないならパーカー・パイン氏に相談を!」

ばかばかしいと思いつつ、事務所に出向いたパキントン夫人。

そこから彼女の生活は一変して・・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
クリスティの作品で、重要な役割をしてくれる新聞広告。
今回も大活躍だ。

パーカー・パインのような人は、騙しでなければ、今の世の中でも必要なんやないかなあ~

「パーカー・パイン登場」 退屈している軍人の事件 あらすじ&感想

ウィルヘルム少佐は、現役を退いてから退屈していた。

平和で健康、そしてお金に困っているわけでもない。

だが、かつてのような刺激と危険を求めていたのだ。

そんな彼が、パーカー・パインを訪問。

彼の悩みを、快く引き受けたパーカー・パイン。

その次の月曜日、ウィルヘルムは女性の悲鳴を聞いて・・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
口には出さないが、平和=退屈ととらえる人はいるのではないだろうか。

この作品が出版されたのは1934年。

第一次世界大戦から大分たった、クリスティの周りには多かったのかもしれへんなあ

「パーカー・パイン登場」 困り果てた夫人の事件 あらすじ&感想

ダフネ・セント・ジョン夫人は追い詰められていた。

従来の派手好きな性格のため、借金がかさんでいたのだ。

それだけではない。

追い込まれた彼女は、あろうことかドーハイマ―夫人の、ダイヤの指輪を盗んでしまう。

気づかれないで、これを返したいダフネ・セント・ジョン夫人。

パーカー・パインはどう対応する?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
似たような話が、マンガの有閑倶楽部でもあったなあ。

ダイヤを返す場面は、とてもロマンチックで、女性作家ならでは。

ラストに、まさかのどんでん返しがあるで!

「パーカー・パイン登場」 不満な夫の事件 あらすじ&感想

レジノルド・ウェードはパーカー・パイン氏の元にきてこう言った。

「妻が恋人をつくって離婚を迫られている。でも自分は離婚したくない」

いつものように快諾したパーカー・パイン。
さて妻の離れた心をどうやって取り戻すのか?

パーカー・パインの部下、マドレーヌの手腕が光る

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「中年夫人の事件」の男性バージョン。
パーカー・パインの抱えるスタッフは、魅力ある男女が多くてヨシ。

ちなみに今回は「パーカー・パイン・初の失敗」という側面もあるで

「パーカー・パイン登場」 サラリーマンの事件 あらすじ&感想

ロバーツは取りあえず幸せだった。

仕事も順調、子供も健康で、お金もわずかながらある。

だが、彼はパーカー・パインの元に来た。
決まり決まった生活から少し外れてみたいというのだ。

出せる金額はわずか5ポンド。
この額で出来るパーカー・パインの秘策とは?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
「退屈している軍人の事件」でも、似たような男性が出る。

その頃のイギリスには、よほど平和に退屈している人があふれてたんやろか。

ラストで、きちんと元の生活に戻るロバーツに一安心

「パーカー・パイン登場」 大金持ちの婦人の話 あらすじ&感想

アブラ―・ライマー夫人は、貴婦人とは言えないが、夫と一代で財をなした大金持ちの女性だった。

夫の死後はぜいたくな暮らしにも飽き、友人もおらず、うんざりした気持ちを抱えて過ごす毎日。

そんな彼女がパーカー・パインの元に来る。

彼女に提示された金額は1000ポンド。

支払う事にしたライマー夫人は、パーカー・パインの連れてきた、コンスタンチン博士の淹れたコーヒーを飲む。

すると強い眠気に襲われて・・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
この話は圧巻。21世紀でも十分通用する。

「幸せとは何なのか」をよくわかっているパーカー・パイン(アガサクリスティ)ならではの話

「パーカー・パイン登場」 あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか? あらすじ&感想

夫に会うためにスタンブール行きの列車に乗り込んだエルシー。

そこで彼女はパーカー・パインに会い、悩みを打ち明けた。

夫の手紙の中に、こんな文字を見つけたというのだ。

「妻・・・シンプロン急行・・・ベニスの少し手前が最適な時だ」

夫には会いたいが、この文句が気になって仕方がない彼女。
パーカー・パインはどう決着をつけるのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
この辺りから「パーカー・パインの旅行もの」になり始める。

ポアロにもちょっと似てくるなあ。

「パーカー・パイン登場」 バグダッドの門 あらすじ&感想

パーカー・パインは6輪自動車に乗って、バクダッドに向かっていた。

だがその旅行中、一緒に乗り込んでいた12人の中の1人が殺される!

乗客の中に犯人がいるのだろうか?

また、300万ポンドを顧客から集めて使い込み、逃げているサミュエル・ロングがこの中に混じっているのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
パーカー・パインでは、初の殺人もの。

今回は「幸せではない人」の広告&相談はなく、パーカー・パインは探偵役に徹している。

長編にしてもよい話

「パーカー・パイン登場」 シーラーズにある家 あらすじ&感想

パーカー・パインは、バグダッドからテヘランに移動。
そこで1人のパイロットと話をした。

「レディ・エスター・カーともう一人の女性がいたのだが、1人の女性は死んだ。

その女性は、レディ・エスター・カーが殺したのではないかと疑っている」

その後、パーカー・パインは、レディ・エスター・カーと会う。

だが彼女は、頭がおかしいとうわさされている女性だった・・・。

パイロットの言ったことは本当なのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
パーカー・パイン中東旅行第2段。
トリックは、クリスティお得意のもの(「予告殺人」と同じパターン)

「予告殺人」詳しくはこちら

「パーカー・パイン登場」 高価な真珠 あらすじ&感想

ペトラでキャンプをしていた、パーカー・パインと6人。

その最中、キャロルが真珠のイヤリングを落とす。

8万ドルもしたという、高価な真珠をみんなで探すが見つからず、不穏な空気が漂う。

キャロルは不安になるが、その理由は真珠をなくしただけではなくて・・・

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
最初に、7人のダラダラとした会話文が続いて退屈する。

でもここに重要なポイントがつまってるし、よく読んどいてな。

「パーカー・パイン登場」 ナイル河の殺人 あらすじ&感想

大富豪、レディー・グレイルはナイル河を旅行中、相談したいことがあるとパーカー・パインに手紙をよこす。

不思議に思ったパインが訪ねると、彼女はこんなことを言った

「夫が、私を毒殺しようとしているかどうかを知りたい」

パーカーパインが出す結末は?
そしてなぜ、グレイル夫人はこんなことを言ったのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
タイトルに「おや」と思った人もいるだろう。
(ネコ缶もそのうちの1人)

全く違う話だが、ちょこちょこ同じところがある。

「ナイルに死す」は、パーカー・パイン登場より後から出版されたので、これが元になっているのかもしれない。

「ナイルに死す」詳しくはこちら

「パーカー・パイン登場」 デルファイの信託 あらすじ&感想

ウィラード・J・ピーターズ夫人は、息子と一緒にデルフォイ旅行に来ていた。

出かけた息子が、夕方になっても帰らず心配している夫人の元に、怪しい手紙が来る。

なんと彼は誘拐されてしまったのだ。

慌てるピーターズ夫人の元にもう一通手紙が。
そこにはこう書いてあった。

「あなたは幸せ?でないならパーカーパインに相談を」

パーカー・パインは息子を助けることができるのか?

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
久しぶりのパーカー・パインの新聞広告にホッと一息。

だが誘拐事件にこの広告?いいの?と思うが、なぜこの広告を出したのかはラストで判明やで 

「パーカー・パイン登場」 まとめ

パーカー・パイン登場
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ネコ缶評価

作品は大きく2つに分かれる。

ロンドンを舞台にした前半と、パーカー・パイン氏が中東に旅行に行く後半だ。

正直言って、パーカー・パイン氏はロンドンにとどまって、魅力的な部下を使い不幸(退屈)な人たちの相手をしている方がよかった。

ネコ缶さとこ
ネコ缶さとこ
旅行に行ってからは「亜流ポアロ」のような感じになって、パーカー・パインの良さが消えてしまったんや

クリスティ作品の、際立ったキャラになれた可能性は十分あったのに、そこがちょっと悔やまれる作品だ。

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